東京都心散策(40)
 ― 「パロディ、二重の声」 at 東京ステーションギャラリー ― 

Walking in Tokyo No.40  -2017.03.18-

- "Parody, Double Voice" at Tokyo Station Gallery -

東京ステーションギャラリー

連休中、天気も良かったので、都心まで出かけることにした。久しぶりに美術館に行こうと思っていたのだ。今回はどこにしようかと考えたが、前々から東京駅に行く度に気にはなっていた東京ステーションギャラリーに行ってみることにした。ここでは今、「パロディ、二重の声 ――日本の一九七〇年代前後左右」という企画展をやっている。


リーフレット(表)

僕自身は「パロディ」がどういうものか一応理解しているつもりだけど、詳しい解説まではできない。ウィキペディアによれば、「現代の慣用においては他の芸術作品を揶揄や風刺、批判する目的を持って模倣した作品、あるいはその手法のことを指す」ということだ。さらに、ギャラリーの公式サイトによると、日本では「1960年代中頃から日本のアーティストが頻繁に実践し、70年代に入るとテレビや雑誌などを通じて社会的に流行した。ありとあらゆる文化がパロディに染まったこの現象は、モダンとポストモダンの隙間に開花した徒花(あだばな)であったのか?日本語として定着し、それでいてなお不明瞭なこのパロディという技術または形式を、当時の視覚文化を通じて振り返る」とある。

チケットを買ってまずはエレベーターで3階へ。展示室に入ると、いきなり「モナリザ」のパロディが並んでいる。ボッティチェリやミレー、フェルメール、ゴッホなどの有名な画家の作風をまねた「モナリザ」から、ヒラリー・クリントンやナンシー・レーガン、ジャネット・イエレン、アンゲラ・メルケル、アウン・サン・スー・チー、エリザベス二世などを「モナリザ」にして描いたものなど(山縣旭(レオ・ヤマガタ)の作品、2016年)。

他に、赤瀬川原平や横尾忠則などの有名アーティストから知られざる作家まで、絵画やマンガ、グラフィックによるパロディ作品が並んでいる。また、長谷邦夫のパロディマンガの原画や、雑誌『ビックリハウス』、さらには、伊丹十三の映像作品、マッド・アマノの作品(写真家・白川義員の雪山を滑るスキーヤーの写真に、スキーヤーの背後に迫るタイヤをつけた『SOS』)に対する著作権侵害裁判の記録など、日本でパロディが花開いた1970年代の作品や資料を中心に展示されている。

3階から下に降りるとき、八角形の螺旋階段を降りるのだが、階段の壁は創建当時のレンガでできていて、東京駅の歴史を垣間見ることができる。八角形の階段の中心は吹き抜けになっていて、天井にはシャンデリアが吊り下げられている。


階段のレンガの壁(1)

階段のレンガの壁(2)


天井のシャンデリア

また、2階の展示室からドームを見下ろせる回廊に出られるのだが、そこには東京駅創建当時の鉄製の手すりやブラケット、レリーフ、東京駅の模型などが展示されている。


ドームの2階の回廊から見下ろした光景

ドームの2階の回廊から3階部分を見上げた光景

ドームの3階回廊の支えとして使用されていた鉄製三角形のブラケット。鉄板の真ん中をくりぬいて、満月から新月へと月の満ち欠けが表されています。


鉄製ブラケット

鉄製手すり

下の3つの写真は南北ドームの装飾レリーフ。


装飾レリーフ(1)
- 上側は菱の実、下側はエッグ&ダート

装飾レリーフ(2) - ロゼット


装飾レリーフ(3) - 干支の復原用石膏原型

ひと通りギャラリーを見て回った後は、丸の内を少し散策してからビールを一杯。

おわり。