最近買った音楽CDやDVDについてのページです。ブログやPCに保存してある日記に書いていたもを集めて、 一部加筆・修正して一覧にしてあります。このページで紹介しているCDは2010年に買ったCDです。
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フュージョン界最高峰のギタリスト、ラリー・カールトンの新作。
彼は12年間在籍したスーパー・バンド、フォープレイを脱退し、ソロ活動に専念していたが、
その最初の作品がこれなのだ。ソロ・アルバムとしては2005年の「Firewire」以来5年ぶりと
なる作品だ。
今回はなんと、1970年代に一世を風靡したフィリーソウル (フィラデルフィアソウル) の
ソングライターチーム、ケニー・ギャンブルとレオン・ハフの名曲集だ。ビルボードチャート
を賑わせ、どこかで聴いたことがあると誰もが思うような数々の曲のオンパレードだ。
柔らかく甘めのサウンドの都会的な雰囲気の曲を、彼独特のテイストのギターで奏でているが、
そこにはまぎれもなく彼のギターサウンドが詰め込まれている。なんとも心地いいサウンドだ。
11月に発売されたノラ・ジョーンズのCD。これは買おうと思っていたのだ。
日本語のタイトル「ノラ・ジョーンズの自由時間」に表わされているように、これはレイ・チャールズ、
ハービー・ハンコック、ウィリー・ネルソン、ドリー・パートンなどの大御所から同世代のミュージシャン
まで、彼女がこれまでコラボレーションに参加した多数の曲から彼女自身が選曲して1枚のアルバムに
まとめたものだ。
収録されている曲は、ジャズ、カントリーからR&B、ピップポップ、ロックまで多岐にわたっていて、
それぞれの音楽に彼女の歌声がうまくマッチしている。あらためて彼女の多彩な音楽的な才能に驚かされる。
これはさまざまな顔をもつノラ・ジョーンズを堪能できるアルバムだ。
ギリシャ人ベーシスト・ヨルゴス・ファカナスのCD。僕はこの人のことは全然知らなかったが、
タワレコでたまたま見つけて、試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。
ギリシャ人ベーシストと言われても僕にはあまりピンとこないが、それもそのはず。
このCDは本邦初見参というものらしい。ギリシャ人の作品ということでギリシャ風のジャズって、
どんなものかなって思ったら (そもそもギリシャの音楽そのものを聴いたことがないけど・・・) 、
聴いてみるとギリシャ風ってのがとんでもない思い込みで、全編をとおしてバリバリのフュージョン
という内容だ。
CDに付いている解説を読むと、彼は1981年頃から音楽活動を開始したようで、結構キャリアは
長いようだ。収録されている曲はほとんどが彼自身が作曲したもので、ベーシストとしてだけ
でなく作曲家としての才能もなかなかのようだ。なお、参加ミュージシャンの中には、
マイク・スターンもギタリストとして名を連ねている。
このアルバムは作品の完成度も高く、フュージョンファンなら必聴のアルバムだと思う。
マリリン・スコットというシンガーのことは僕は全然知らなかったが、例によってタワレコで
たまたま見つけて (ツタンカーメンのようなマスクをして笛を吹いている人の絵が描かれた
ジャケットが目にとまった) 試聴してみたら、結構よかったので買うことにした。
彼女に関する情報をほとんど持っていないので、調べてみたところ、彼女は1977年にデビューし、
ウェストコーストAOR系の歌姫といわれていたシンガーだったらしいが、1990年頃からは
ジャズシンガーとしても活動しているそうだ。このアルバムは元々は1979年に発表された
彼女のデビューアルバムらしいが、これにボーナストラックを2曲加えて再CD化され、
最近発売されたものだそうだ。
内容的にはウェストコーストAORといわれるだけあって、心地よいサウンドのAOR/ポップあるいは
ソウルのような感じの曲を中心に構成されていて、全体を聴き終わってみて、彼女はすばらしい
歌唱力を持ったシンガーだということを認識されられた。
Fourplay の新作。これは買いたいと思っていたのだ。
Fourplay はフュージョン/コンテンポラリージャズ/スムースジャズ界の最高のプレイヤーが
集まったバンドだが、今回からラリー・カールトン (Larry Carton) が抜け、3代目ギタリストとして
迎えられたのがチャック・ローブ (Chuck Loeb) だ。
チャック・ローブは僕の好きなギタリストの一人で、彼のアルバムは何作か持っているが、
今回のアルバムでも随所に彼らしいナチュラルサウンドのギターを聴くことができる。
これからの展開が楽しみだ。
今回もヴォーカルが入った曲が3曲収録されているが、ベーシストのネイザン・イーストの他に、
ゲスト・ボーカリストとして、R&Bシンガーのアニタ・ベイカー (Anita Baker) 、
ルーベン・スタッダード (Ruben Studdard) がフィーチャーされている。
ネイザン・イーストはベーシストとしての実力は言うまでもないが、ヴォーカリストとしての
実力なかなかのものだと思う。
ジャズピアニスト・片倉真由子の新作。これも新作が出るという情報を入手していたので、
買おうと思っていたのだ。
去年、デビュー作 " Inspiration " を引っさげて登場した彼女の2作目のアルバムだ。
今回もピアノトリオによる作品で、ベースのロドニー・ウィテカー (Rodney Whiraker) と
ドラムのカール・アレン (Carl Allen) は、2006年に彼女がジャズピアニストの登竜門といわれる
モンク・コンペティションに出場してセミファイナリストに残った時の伴奏者だそうだ。
彼女のオリジナル曲とスタンダード曲による、スピード感あふれるナンバーから、
ミディアムテンポのスィングやスローでじっくり聴かせるナンバーまで、素晴らしい演奏で
ストレートなジャズを聴かせてくれている。
新宿のタワレコでたまたま見つけて、試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。
このバンドは、ドラマーのクリス・パーカー (Chris Parker) とベーシストのウィル・リー (Will Lee) を
中心に結成されたバンドで、他には超売れっ子パーカッション奏者のラルフ・マクドナルド (Ralph MacDonald) 、
ピアノにクリフォード・カーター (Clifford Carter) 、サックスにデヴィッド・マン (David Mann) が
名を連ねている。バンド名はともかく、実力者ぞろいのバンドだ。
単なるセッションバンドに終わらず、5人のミュージシャンの持ち味を存分に生かし、うまくまとまりを
見せていて、クールでグルーブな作品に仕上がっていると思う。このアルバムの最後に収録されている曲は
どこかで聴いたことがあるとなと思ってよく見たら、ハービー・ハンコックの代表作である
" Maiden Voyage (処女航海) " だ。オリジナルとは違ってラテンな雰囲気にアレンジされ、
5人のミュージシャンそれぞれが入れ替わりソロを披露して、ソロで始まりソロで終わるといった感じだ。
ジャズピアニスト・山中千尋の新作。今回の作品は前作とは打って変わって、
いつものピアノトリオに戻った作品で、ピアノトリオとしては2年振りの新作となる。
オープニングの彼女のオリジナル曲 " So Long " では、ついつい踊りだしたくなるような
彼女のスウィングするピアノがなんとも心地よくていい。全体を通して彼女の持ち味である
アップテンポのダイナミックなピアノを存分に聴かせてくれる内容になっているが、
他にもバラードのようなゆったりとした曲で聴かせるしっとりとしたピアノもいい。
アルバムタイトルの " Forever Begins " では、最初はゆったりとしているが、
次第に盛り上がっていって熱いプレイを聴かせてくれる。
2年前の「Bravogue」では、彼女の作品の中でも出色の出来ではないかとコメントしていたが、
今回の作品もそれに劣らず素晴らしい作品に仕上がっていると思う。
「ポスト上原ひろみ」の呼び声の高い Manami Morita のセカンドアルバム。
タワレコで偶然見つけて思わず買ってしまった (そういえば、デビューアルバムも
去年タワレコで偶然見つけて、思わず買ってしまったんだな・・・) 。
ピアノ、ベース、ドラムのトリオを基本に、パーカッションを効果的に入れた編成になっていて、
全9曲中2曲を除きすべて彼女のオリジナル曲で構成されている。オープニングはラテンテイストの
" M☆GIC " に始まり、その後はダイナミックで軽快なピアノ、それからスローテンポのしっとりした
ピアノなど、彼女の世界が広がっている。ラストはなんとカーペンターズの名曲 " Yesterday Once More " を
ジャズ風にアレンジした曲で締めくくっている。
全体をとおして聴いてみると、トニー・グレイ、マーティン・ヴァリホラとトリオでやっていた時の
上原ひろみを彷彿させるような雰囲気が所々に感じられ (個人的にはそんな感じがした) 、
これも彼女が「ポスト上原ひろみ」と言われる所以なのだろうか?
とはいっても、はやりこれはまぎれもなく " Manami World " なのだ。
ジャズギターの帝王、カート・ローゼンウィンケルの新作。これも偶然見つけて、
試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。彼の作品を買うのは、
何カ月か前に2枚組のライブ盤を初めて買って以来今回が2作目だが、
スタジオ録音盤としては初めて買ったことになる。
今回の作品は、オルケストラ・デ・ジャズ・デ・マトシニョス
(Orchestra de Jazz de Matoshinhos: OJM) とコラボレートしたビッグバンド風の
内容になっている。オルケストラ・デ・ジャズ・デ・マトシニョスというバンドについては
僕はよく知らなかったが、調べたところ、ポルトガルの気鋭のビッグバンドだそうだ。
ビッグバンドによる熱気あふれる演奏とともに彼のギターが縦横に走り回って白熱の
プレイを聴かせてくれる。オルケストラ・デ・ジャズ・デ・マトシニョスも気鋭のバンド
だけあってなかなかいい。僕はビッグバンドの作品はあまり持っていないが、時には
こういうのを聴いてみるのもいいかなと思った。
ジャズピアニスト・大西順子の新作。タワレコのメールマガジン (だったかな?) で新作が
発表されるという情報を入手していたので、買おうと思っていたのだ。
去年の7月に実に11年振りに新作を発表した彼女だが、今回はユニバーサル・ジャズ移籍第1弾で、
かつてプロのピアニストとしてのキャリアをスタートさせたニューヨークでの久々の録音だそうだ。
ピアノトリオ編成の前作とは異なり、今回はピアノトリオにトランペット、サックス、
トロンボーンのブラスセクションや、曲によってはバスクラリネットやフルートも加えたり、
はたまたダブルベース編成になっていたりと、サウンド的にも広がりを持たせた、ダイナミックな
アコースティックサウンドを聴かせてくれる。さらにピアノソロも2曲収録されていたりと、
かなりの意欲的な作品に仕上がっているようだ。
伝説のリターン・トゥ・フォーエバーの再来か?
チック・コリア (p) 、スタンリー・クラーク (b) 、レニー・ホワイト (ds) の3人による新作。
タワレコの店内を見て回っているときに見つけて、思わず買ってしまった。
このCDは2枚組になっていて、1枚目は3人よるアコースティックライブ盤、2枚目はゲスト
ミュージシャンを迎えてのスタジオ録音盤という構成だ。ライブ盤の方は2009年に行われた
ピアノトリオによるライブで (場所はよくわからないが、どこかのジャズクラブかな?) 、
メンバーからまさにアコースティック版RTF (リターン・トゥ・フォーエバー) という印象を
与えるが、RTFとはまた一味違った純粋なアコースティック・ジャズトリオとして、
ライブならではの素晴らしい演奏が繰り広げられている。
一方、スタジオ録音の方は、エレクトリックとアコースティックを織り交ぜた構成で、
1枚目とは打って変わってこちらは全体的にフュージョン色の強い内容になっている。
ゲストミュージシャンはビル・コナーズ (g) 、ジャン=リュック・ポンティ (vln) 、
そしてなんとR&Bの女王、チャカ・カーンもヴォーカルで参加している。
なお、10曲目の " 500 Miles High " は2009年9月30日に行われたモントルー・
ジャズフェスティバルでのライブ録音だ。
纐纈 (「こうけつ」と読む) という珍しい名字のサックス奏者のデビューアルバム。
タワレコの店内を見て回っていて目に留まり、気になって試聴してみたら結構よかったので
買うことにした。
彼女はまだ21歳だが、10代の頃から数多くのライブをこなし、着実に実力をつけてきたようで、
このアルバムでもアップテンポのナンバーでは軽やかで激しく、またメロウなナンバーでは
しなやかなサックスを聴かせてくれ、彼女の実力を存分に味わえる内容になっている。
これを聴いていると、彼女のライブにもぜひ行ってみたくなった。
最近の日本人女性の若手ジャズミュージシャンは、上原ひろみや山中千尋らのような
ピアニストだけでなく、矢野沙織や小林香織に代表されるようにサックス奏者の活躍も
目覚ましく、彼女の登場でさらに層に厚みが増してきた。またお気に入りのミュージシャンが
増えたという感じだ。
フュージョン界のスーパーギタリスト、リー・リトナーの新作。
このアルバムは、ジョン・スコフィールド、ジョージ・ベンソン、B.B.キング、
マイク・スターンといったスーパーギタリストがゲスト参加した超豪華版で、
日本からは布袋寅泰が参加している。内容もフュージョン、ロック、ブルースを
中心に多彩な構成になっている。ギタリスト以外では、ハーヴィー・メイソン (ds) 、
ネイサン・イースト (b) 、ジョーイ・デフランセスコ (organ) らの大物ミュージシャンに
交じって、タルちゃん (タル・ウィルケンフェルド) もベースで参加している。
なお、リトナー自身による次のコメントもつけられている。
" Is this a Lee Ritenour record? No.
Is this a Lee Ritenour record? Yes. "
(これはリー・リトナーのアルバムなのか?いいや、違う。
これはリー・リトナーのアルバムなのか?まさにそうだ。)
まさにそのとおりで、これはリー・リトナーのアルバムじゃないような感じだし、
まさにリー・リトナーのアルバムなのだ。
今年の5月16日、91歳で亡くなったジャズピアノの巨星、ハンク・ジョーンズの追悼盤。
これは買っておかなければと思っていたのだ。
このアルバムは今年の2月に、ブルーノート東京でのライブに出演するため来日した際、
東京で録音されたもので、彼の新作として発売される予定だったものが、彼の死去によって、
急遽タイトルも " Last Recording " と変更されて追悼盤として発売されたものだ。
実に半世紀以上もジャズ界で演奏活動を続け、「ミスタースタンダード」の異名を持つ
彼の洗練されたピアノは、最後の最後まで衰えを見せず、年齢を感じさせないその演奏は
聴く者をうならせる。
去年の8月に " The Legend of Jazz " を買ったときに、「今のうちに是非ともライブを聴きに
行っておきたい」というコメントを書いていたが、日本での最後のライブになってしまった
今年の2月のブルーノート東京でのライブは、都合で行くことができなかったのが残念でならない。
UKクラシックの歌姫キャサリン・ジェンキンスの新作。
タワレコのジャズコーナーでCDを選んだあと、隣のクラシックコーナーを覗いてみたら、
新作が出ていたので買うことにしたのだ (普段はジャズばかり聴いているけど、実は僕は
彼女の隠れファンでもあるのだ) 。
彼女はデビュー以来クラシックチャートのトップを走り続け、今やUKクラシック界で人気、
実力ともNo.1といわれる。この作品はその彼女のワーナー移籍第1弾のアルバムで、
クラシックの枠を超え、ポップミュージックにまで幅を広げた選曲になっていて、
メッゾソプラノの彼女の透明感のある素晴らしい歌声が最大限に生かされた内容になっている。
ちなみに彼女はその美貌からモデルを経験したり、小学校の教師もしていたという、
クラシックの歌手としてはユニークな経歴の持ち主なのだ。
昨年の " Jazz In The Garden " につづき、上原ひろみとベーシストのスタンリー・クラークが
共演したアルバム第2弾だ。前回ではドラマーのレニー・ホワイトも共演していたが、今回は彼は
プロデュースに徹しているようだ。
前作ではアコースティックサウンドでストレートなジャズを聴かせてくれたが、
今回はうって変わって全曲エレクトリックサウンド中心でバリバリのフュージョン
という内容だ。上原ひろみはアコースティックピアノで参加していて (曲も提供しているようだ) 、
シンセサイザーやエレクトリックピアノのようなキーボードは別の人が担当している。
ボーナストラックを含む全12曲のうち、彼女がピアノを弾いているのは半分の6曲だが、
随所に彼女らしいピアノが聴ける。
これを聴いていると、スタンリー・クラークとの共演が刺激になって、彼女自身の次回作では
(いつになるのか分からないけど) 新しいことをやってくれるのではと、期待せずにはいられない。
彼女は今年はスタンリー・クラークとのツアーを結構やるようだが、日本ではライブをやらないのかなと
思っていたら、12月にライブをやるという情報を入手したので、早速プレオーダーを申し込んだ。
去年は彼女のライブチケットは結局取れなかったけど、今度は取れますように!
エレクトリックベースの名手、マーカス・ミラーのライブ盤。タワレコの店内を見て
回っていたら目に留まり、試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。
この作品は、2008年にリゾート地として名高いモナコ公国のモンテカルロで開催された
ジャズフェスティバルでのライブをCD化したものだ。このライブではバックバンド以外に、
モンテカルロ・フィルハーモニー・オーケストラとの共演という新たな試みをしている。
会場もクラシックの殿堂”オペラ座”ということで、オーケストラとの共演にふさわしい場所だ。
ジャズ、R&B、ファンクをベースとした彼の音楽と、クラシックのオーケストラとの共演は
どんな感じになるのかと思ったが、うまくアレンジされていてオーケストラのサウンドが
うまく調和しているような感じがした (オーケストラのアレンジも彼自身によるもののようだ) 。
また、" Your Amazing Grace " では、彼のもうひとつの楽器であるバスクラリネットでの
演奏を披露していて、彼の多彩な才能を感じさせる。
ボーナストラックの " Strange Fruit (奇妙な果実) " は追加レコーディングされたもののようで、
この曲でも彼はバスクラリネットを演奏していて、さらにハービー・ハンコックがピアノを弾いている。
孤高のギタリスト、ジェフ・ベックの新作。去年ライブ盤を買って以来、約1年ぶりだ。
今回のアルバムはスタジオ録音としては7年ぶりの作品だが、いつもとはかなり違った
雰囲気に仕上がっている。収録されている曲も、いつものようなインストゥルメンタルロック
だけでなく、" Over The Rainbow (虹の彼方に) " のような誰でも知っているようなジャズ
スタンダードナンバーやプッチーニの歌劇「トゥーランドット」から " Nessun Dorma
(誰も寝てはならぬ) " のようなオーケストラをバックにした楽曲、それからジョス・ストーン
(Joss Stone) 、イメルダ・メイ (Imelda May) 、オリヴィア・セイフ (Olivia Safe) を
ゲストに迎えてヴォーカルをフィーチャーした楽曲まで、ロック、ジャズ、クラシックなどの
ジャンルを超えたクロスオーバーな内容になっている。もちろん彼のギターも相変わらずで、
聴きどころ満載だ。
ジェフ・ベックのアルバムでヴォーカルが入っている曲を聴くのは珍しい (と思う) 。
少なくとも僕は、昔のBBA (Beck Bogart & Appice) 時代のアルバム以来聴いたことがない。
余談だが、今回のアルバムでもタルちゃん (Tal Wilkenfeld) がベースを弾いている
(全曲ではないけど) 。
ジャズピアニスト・平林牧子のアルバム。僕はこの人のことは全然知らなかったが、
タワレコのジャズコーナー入口付近にCDが並べてあるのが目に止まり、気になって
試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。
彼女はデンマークを拠点に活動しているピアニストのようで、ピアノトリオのメンバーは、
クラウス・ホフマン (Klavs Hovman: b) 、マリリン・マズール (Marilyn Mazur: ds/pec)
という人たちだ (名前のとおりドラマーは女性だ) 。
なんでも、このアルバムは2009年度のジャズオーディオ・ディスク大賞金賞、ジャズメロディー
大賞金賞を獲得したものだそうで、「北欧より彗星のごとく現れた鮮烈のピアノトリオ」
というキャッチフレーズがついている。収録されている全9曲はすべてオリジナルで、
うち6曲が彼女のよるもので、残りの3曲がドラマーのマリリン・マズールによるものだそうだ。
彼女は2001に彼らと出会い、ピアノトリオを結成して現在に至っているそうだが、
ベースのクラウス・ホフマン、ドラムのマリリン・マズール (この2人は夫婦だそうだ) との
息もぴったりで、絶妙のコンビネーションで彼女の世界を作り出している。
彼女に限らず、このところ国内外のジャズ界での日本人女性ピアニストの活躍は目覚しく、
次は誰が登場するんだろうと、期待せずにはいられない。
ジャズギタリスト・カート・ローゼンウィンケルの2枚組ライブ盤。
タワレコでたまたま見つけて試聴してみたら結構よかったので買うことにした。
このアルバムは2006年1月にニューヨークの名門ジャズクラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードでの
ライブを録音したもので、バンドメンバーは、彼の他に、マーク・ターナー (Mark Turner: ts) 、
アーロン・ゴルドベルグ (Aaron Goldberg: p) 、ジョー・マーティン (Joe Martin: b) 、
エリック・ハーランド (Eric Harland: ds) の5人だ。
カート・ローゼンウィンケルのギターとマーク・ターナーのサックス、アーロン・ゴルドベルグの
ピアノを中心とした、全曲10分以上 (中には20分近いものもある) にも及ぶライブならではのソロの
応酬は、さすがに聴き応えがある。僕は彼のことを全然知らなかったが、“現代ジャズギターの皇帝、
ここに君臨せり”という言葉のとおり、そのパフォーマンスはさすがという感じだ。ジャズファン
としては押さえておかなければならないギタリストの一人だ。
ジャズトランペット奏者、市原ひかりのアルバム。タワレコの店内を見て回っていて
目に留まり、試聴してみたら結構よかったので買うことにした。女性トランペット奏者は
僕はほとんど知らないので、もちろん今回初めて買ったことになる。
調べてみると、彼女は今年でデビューして5年目で、このアルバムは5枚目のアルバムのようで、
過去にはスイングジャーナル誌の '06年度ジャズディスク大賞、ニュースター賞を受賞した
逸材のようだ。彼女だけでなく、バンドメンバーはみな日本人の若手で構成されていて、
なかなかの実力者ぞろいという感じがした。
この作品は、収録されている曲は1曲を除いて彼女かバンドメンバーのオリジナルらしく、
全体的に都会的な雰囲気の洗練されたジャズというように感じられた。
僕はトランペット奏者のCDをあまり持っていないので、これを機に彼女の過去の作品や他の
トランペット奏者の作品も聴いてみたいと思う。また一人お気入りのミュージシャンが
増えたということだな。
ジャズヴァイオリニスト・寺井尚子の新作。彼女のHPで新作が発売されたという情報を
入手していたので買おうと思っていたのだ。
今回の作品は初のスタンダード集ということで、オープニングの " It Don’t Mean A Thing
(If It Ain't Got That Swing) " (「スウィングがなければ」、デューク・エリントンの
有名な曲)や " I Got Rhythm " ではエネルギッシュに、" Autumn Leaves " や " Left Alone " 、
" Stardust " などでは華麗で官能的に、ジャズやシャンソンの名曲を題材に彼女のヴァイオリンの
世界を繰り広げている。
なお、ボーナストラックとして、彼女が出演しているキンチョーの2010年のCM曲 " Summer Romance " と、
TV東京の「美の巨人」のエンディングテーマ曲
" Dream Travelers " も収録されている。
このアルバムを聴いていると、先日のコンサートの模様がありありと思い出される。
今更説明するまでもないが、シャーデーの10年振りの新作。新作が出たという情報を入手していたので、
これは買おうと思っていたのだ。
前作「Lovers Rock」以来10年という長すぎる期間を経て、やっと戻ってきてくれたという感じだが、
ヴォーカリストのシャーデー・アデュ (Sade Adu) の独特なクールでスモーキーなヴォーカルと、
ロックやジャズ、ソウル、レゲエといった枠を超えたシャーデーサウンドは健在だ。
僕がシャーデーのことを初めて知ったのは学生の頃で、その時は " Sade " がバンド名だとは知らず、
ソロの女性ヴォーカリスト (Sade Adu) のことだと思っていたのだが、彼女はどことなくクールで
エキゾティックな雰囲気のヴォーカリストだなという印象があった (彼女がナイジェリア人と
イギリス人のハーフであることが、エキゾティックな雰囲気を感じさせるのかもしれないけど) 。
それ以来、僕にとっては Sade=Sade Adu という図式が出来上がっていて、
ヴォーカリスト Sade Adu は気になる存在であり続けている。
フュージョン界を代表するギタリスト、パット・メセニーの新作。パット・メセニーのCDを
買うのは本当に久しぶりだ。何年振りだろう?
今回の作品はオーケストリオン (Orchestrion) というタイトルにあるように、いろんな
アコースティック楽器およびエレクトリック楽器を、さまざまな機械による操作で、彼一人で
同時演奏してレコーディングされたものだ。アルバムジャケットの表紙にある写真をみると、
いろんな楽器が所狭しと並べられていて、ジャケットの内側や冊子にそれらを操作する機械部分の
写真も載っている。これらの楽器によるオーケストリオンをバックに、彼のギターが縦横無尽に
走り回っている感じだ。まさに「一人パット・メセニー・グループ」だが、まるでバンドで
演奏しているようで、とても彼一人ですべてを演奏しているとは思えないほどで(作品として
発表するのだから、当たり前か)、彼の多彩な才能を感じさせる作品に仕上がっていると思う。
ちなみに、オーケストリオンというのは、19世紀から20世紀初頭に実在した、オーケストラやバンドの
演奏を機械仕掛けで自動で奏でるようにしたもので、ドイツやアメリカでいろんなタイプのものが
製作されたそうです。
デビッド・サンボーンの新作が出ていたのには気がつかなかった。タワレコの店内を
見て回っていたら、偶然見つけたので買うことにした。
前作はブルースが中心だったが、今回の新作はソウルの神様レイ・チャールズへの
オマージュ的な作品のようで、ブルースやR&Bを中心としたブルージーな内容で構成され、
彼のサックスとジョーイ・デフランセスコ (Joey Defrancesco) のハモンドオルガンの
サウンドがアルバム全体を占めている。また、ドラムはスティーブ・ガッド (Steve Gadd) が
担当している。前作ではエリック・クラプトンがヴォーカルでゲスト参加していたが、
今回の作品では、ジョス・ストーン (Joss Stone) やジェームズ・テイラー (James Taylor) が
ゲスト・ヴォーカルとして参加している。
去年の年末に彼のライブに初めて行ったのだが、今回のアルバムに収録されている曲も
演奏していたよう気がするが (たしかそうだったと思う。確信はないけど・・・) 、
その時の様子を思い出してしまった。
スーパートリオDB IIIのライブ盤。タワレコの店内でたまたま見つけて、試聴してみたら
結構よかったので買うことにした。
このCDは東京のコットンクラブで行われたディーン・ブラウン (g) 、デニス・チェンバース (ds) 、
ウィル・リー (b) の三人によるスーパートリオのライブを収録したものだが、内容はバリバリの
フュージョンで、実力派の3人によるセッションが繰り広げられている。
こういうミュージシャン達の演奏は、スタジオ録音のもいいけど、やはりライブを聴くに限る。
ライブならではのソロの応酬ありで、まさにその場に居るかのように聴く者をその世界に引き込ませる。
とっても聴き応えのあるCDだ。
アルトサックス奏者・矢野沙織の新作CD。去年の年末に1/20に新作が発売されるという
情報を入手していたので、今年は最初にこれを買おうと決めていたのだ。
アルバムタイトルにあるように、今回の作品では彼女の追求してきたモダンジャズの原点
ともいえるビバップ・プレイを存分に聴くことができる。彼女のサックスによって、次から次へと
フレーズが泉のように湧き出てきていて、そのプレイにさらに磨きがかかってきたようだ。
といっても、彼女はまだ23歳の若い女の子だ。それにもかかわらず、ベテランサックス奏者
顔負けのそのプレイには、恐れ入りましたというほかない。
弱冠16歳でデビューした彼女は、日本だけでなく、ジャズの本場アメリカ・ニューヨークに渡り、
現地のミュージシャン達とライブを重ね、着実に実力をつけて評価を高めてきただけのことはある。
2005年には、マイルス・デイビス・クインテットのドラマーを務めていたジミー・コブと共演し、
「日本のキャノンボール・アダレイ」と絶賛されたという。彼女は若いけれど、
本物のジャズミュージシャンだ。
とにかくこのアルバムは彼女の作品の中では、最高の出来ではないかと思う。それくらい彼女の
プレイは素晴らしい。これ以外に言葉が思いつきません。
ところで、2/20からコンサートツアーが始まり、東京は3/27(土)に渋谷にある duo MUSIC EXCHANGE で
開催される。こりゃ、行かねばなるまい。
ということで、コンサートチケットを早速入手した。\(^o^)/
現役女子大生ジャズピアニスト・松本茜の新作CD。
一昨年の初夏の頃 (だったかな?) 、僕がまだ福岡に出向していた頃、
彼女の前作 " Fallin' in Love with Phineas... " を福岡・天神のタワレコでたまたま見つけて、
けっこういい内容だったので注目していたのだが、今回、新宿のタワレコで新作が出ているのを見つけて、
思わず買ってしまったのだ。
今回は初のニューヨークでの録音ということで、ベースにナット・リーブス (Nat Reeves) と
ドラムにはジョー・ファンズワース (Joe Farnsworth) という現地N.Y.のトップ・ミュージシャンの
サポートを得、まるで水を得た魚のように彼女はピアノを弾いていて、彼女のピアノは彼らを相手に
全然ひけをとっていない。
彼女のオリジナルとスタンダードを織り交ぜた今回の作品は、オープニングからアップテンポの
ドライブの聴いたピアノを聴かせてくれる。アップテンポな曲だけでなく、ミディアムテンポから
スローな曲まで、本流モダンジャズの素晴らしいピアノを存分に聴かせてくれる内容になっている。
このCDには「ビバップを最も美しく弾いてくれるピアニスト」というコメントがついていたが、
まさにその通りだと思えるほど、いい内容の作品だ。これを聴いていると、彼女のライブに行って、
ぜひ生で聴きたくなってしまった。
去年の2月にジェフ・ベックのCDを買って以来、久しぶりに買ったロックのCD。
今回買ったのはエリック・クラプトンが1960年代後半(1966~1968年)に結成していた
スーパーロックトリオ、クリームの3rdアルバムで、メンバーはクラプトン (g, vo) 、
ジャック・ブルース (b, vo) 、ジンジャー・ベイカー (ds) の3人だ。クリームのアルバムは
中学から高校生の頃に買ったLPレコードを含めて何枚か持っているが、彼らの代表作である
このアルバムは何故か持っていなかったので、前から買っておこうと思っていたのだ。
1968年に発表されたこのアルバムは2枚組で、1枚目はスタジオ録音、2枚目はライブ録音
(Live At The Fillmoreと題されている) という変則的な構成になっている。
スタジオ録音の1枚目のオープニングはクリーム最大のヒット曲 " White Room " だ。
この曲は " Sunshine of Your Love "、" Badge " などとともにクリームの代表的な曲で、
ロックの名曲といる曲の一つだ。そのほか、" Politician "、" Those Were The Days " 、
" Deserted Cities of The Heart " などが収録されている。
2枚目のライブ盤は4曲が収録されているが、特に " Crossroads " 、" Spoonful " はクリーム
といえばこれを思い出すほどの名演だ。僕はこの演奏は、中学生か高校生の頃に買った
クラプトンのベスト盤のような2枚組アルバム (ヤードバーズからデレク・アンド・ザ・ドミノス
までの曲を集めたものだが、どこのCD屋さんに行っても置いてないので、廃盤になったのかな?)
にも収録されていて、そのとき初めて聴いたのだが、" Crossroads " ではクラプトンのギターが
炸裂し、" Spoonful " にいたっては約17分にもわたってギターとベースとドラムの応酬が続き、
その凄さに圧倒されてしまった思い出がある。
1960年代といえば、大方の人はビートルズの時代として記憶していると思うのだが、その時代はポップス、
ロックンロールの他に、サイケデリックロック、ハードロックなどが花開いた時代で、
1966年に登場したクリームは、その後に登場し70年代のロックを牽引したレッド・ツェッペリン、
ディープ・パープルに代表されるハードロックの礎を築いたバンドだ。そういう意味でもこのバンドは
記憶に残しておかなければならないバンドの一つだ。
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