♬ 音楽CD&DVD ♪

■CD編 - 2015年 

最近買った音楽CDやDVDについてのページです。ブログやPCに保存してある日記に書いていたもを集めて、一部加筆・修正して一覧にしてあります。このページで紹介しているCDは2015年に買ったCDです。

 

Date: 2015/12/05 
Artist: 中園亜美
Title: Make It Happen!


またまた新たな女性サックス奏者を見つけた。彼女の名前は中園亜美。新宿のタワレコで彼女のアルバムをたまたま見つけ、試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。次世代を担うサックス奏者とあるが、これは彼女のデビューアルバム?

彼女について全く知らなかったので、彼女のWebサイトを調べてみた。それによると、
「彼女は鹿児島生まれで、幼少期にはクラシックピアノを学び、その後学校のブラスバンドでアルトサックスを演奏するようになった。その後、東京の洗足学園音楽大学に入学して作曲などを学ぶ傍ら、自身のバンドで活動をしていた。2007年には渡米し、ボストンの名門音大、バークリー音楽大学に入学してサックスとフルートを学んだ。その後、フランスのジャズシンガー/作曲家の Violette (う~ん、知らない・・・) の専属サックス奏者として、ボストン、ニューヨーク、パリなど世界各地で演奏活動やレコーディングに参加していた。2013年からは活動拠点を東京に移して、このアルバムをレコーディングした。」
ということのようだ。

この経歴からわかるように、彼女は全くの新人ではないようで、このアルバムも“日本での”最初のアルバムのようだ。しかも、LA、東京、バンコクのアーティストとのコラボによるものらしい (そういうキャッチフレーズがついていた) 。
内容的にはスムースジャズで、収録されているナンバーはどれも彼女自身の手によるものだ (プロデューサーである安部潤らとの合作も含む) 。彼女はソプラノサックスから、アルトサックス、テナーサックスまで使い分けていて、海外での演奏活動で腕を磨いてきたことがうかがえるそのパフォーマンスには目を見張るものがある。

これはなかなかいいアルバムに仕上げられていると思うし、お気に入りのサックス奏者がまた一人増えたという思いだ。彼女の今後の活躍にも期待が高まる。それにしても、日本人女性のサックス奏者の層の厚さを感じずにはいられない。

Date: 2015/12/05
Artist: John Scofield
Title: Past Present


ジャズ/フュージョン界のトップ・ギタリスト、ジョン・スコフィールド (John Scofield) の新作アルバム。新宿のタワレコでたまたま見つけ、試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ (買ったのは輸入版だけど、日本版も出ていたのかな?) 。ジョンスコ (日本では略してこう呼ばれることがある) のアルバムを買うのはとっても久しぶりだ。前に買ったのはいつだったのか思い出せない位だ (たしか1990年代だったような気がする・・・) 。

今回のアルバムは、1990年代にブルーノートに在籍していた頃のメンバーとのレコーディングだそうで、メンバーは、彼とジョー・ロヴァーノ (Joe Lovano; Sax) 、ラリー・グレナディア (Larry Grenadier; Bass) 、ビル・スチュワート (Bill Stewart; Drums) のカルテット編成だ。昔の仲間とレコーディングしたということもアルバムタイトルの『Past Present (過去、現在) 』に表されているのかな? (って、勝手に解釈しているけど)

彼の代名詞といえば、「アウトフレージング」というコードに対してわざと音程を外してアドリブで演奏することだと云われているけど、このアルバムはライブ盤ではないということもあるのかもしれないし、聴いていてほとんどそういう感じはしなかった気がする。まぁ、僕も彼のアルバムを数多く聴いているわけではないので、その辺の感覚をイマイチ分かっていないのかもしれないけど。どちらかとうと、全体的に聴きやすく、昔の仲間とセッションを楽しんでいるような感じの作品に仕上がっているような感じはするし、ギターが好きな人は聴いてみる価値のある作品だと思う。

Date: 2015/10/10
Artist: Fourplay
Title: Silver


コンテンポラリー・ジャズ/フュージョン界のスーパーグループ、フォープレイの新作アルバム。新作が出たのは知っていたので、新宿のタワレコに行った時、買ってきたのだ。

今回のアルバムはグループ結成25周年記念アルバムということで、歴代ギタリストのリー・リトナー (Lee Ritenour、初代) 、ラリー・カールトン (Larry Carlton、2代目) 、それからスムースジャズサックス奏者のカーク・ウェイラム (Kirk Whalum) 他、多くのミュージシャンがスペシャルゲストとしてレコーディングに参加している。

収録されている曲はどれもメンバーによる書き下ろしで、メロディとアンサンブルを重視した、これぞフォープレイといえる高いクオリティとセンスのサウンド満載という感じだ。もちろんギターやピアノのソロもあるけど、決して出しゃばりすぎていないところがいい。また、ラリー・カールトン (5曲目の " Silverado " ) 、リー・リトナー (10曲目の " Windmill " 、アコースティック・ギターを弾いている) と現行ギタリストのチャック・ローブ (Chuck Loeb) のギタープレイを聴き比べてみると、それぞれの特徴が表れていておもしろい。特に5曲目はいかにもラリー・カールトンという感じのサウンドだ。

このアルバムは、超一流のミュージシャンたちによるプレイが満載で、聴き応えのあるいい作品だと思う。

Date: 2015/10/10
Artist: Lee Ritenour
Title: Twist of Rit


ジャズ/フュージョン界のスーパーギタリスト、リー・リトナーの新作アルバム。新宿のタワレコでたまたま見つけ、試聴してみたら結構よかったの買うことにしたのだ。2,3ヶ月前にリー・リトナーとデイブ・グルーシンのライブアルバムを買ったんだが、リー・リトナーの単独のアルバムを買うのは久しぶりのような気がする。

今回のアルバムは主に1970年代から80年代にかけての自身の楽曲を再演したセルフカヴァーアルバムになっている。レコーディングに参加しているミュージシャンも豪華メンバーだ。デイブ・グルーシン (Dave Grusin; piano/keyboards) 、アーニー・ワッツ (Ernie Watts; sax) といった、いつも彼と一緒にやっている (という印象が僕にはある) 人の他に、デヴィッド・T・ウォーカー (David T. Walker; guitar) 、小曽根真 (piano/organ) 、デイブ・ウェッケル (Dave Weckel; drums) 、トム・ケネディ (Tom Kennedy; bass) の名前もある。そのほか多くのミュージシャンたちが参加しているようだ (多すぎて全員を把握しきれない) 。そういえば、ちょっと前にデイブ・ウェッケルのアルバムを買ったんだが、そのアルバムにも小曽根真とトム・ケネディは参加していた。

収録されているのは彼自身のかつての楽曲なんだけど、選曲の基準は必ずしも有名な曲というわけではないようだ (と、彼自身、インタヴューで答えている) 。しかし、70~80年代を彷彿させるちょっとレトロな、それでいてちょっとモダンなギターサウンドを聴かせてくれる。これを聴いてやはり“キャプテン・フィンガー”は健在だと改めて感じた。

Date: 2015/08/23
Artist: The Dave Weckl Acoustic Band Featuring Makoto Ozone, Tom Kennedy, Gary Meek
Title: Of the Same Mind


スーパー・ドラマー、デイブ・ウェックルの新ユニット“アコースティック・バンド”のアルバム。新宿のタワレコでたまたま見つけ、試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。

デイブ・ウェックルはかつてチック・コリアの「エレクトリック・バンド」のドラマーとして抜擢され、その超絶テクニックで一躍注目を集めたドラマーだが、このバンドは、彼が結成した初のアコースティック・バンドだそうだ。バンドのメンバーは、デイブ・ウェックル (Dave Weckl; drums) 、ゲイリー・ミーク (Gary Meek; sax) 、トム・ケネディ (Tom Kenney; bass) 、そしてなんとピアノ/キーボード奏者として小曽根真が参加している。
収録されている曲は小曽根真、ゲイリー・ミーク、トム・ケネディの手によるオリジナルが中心で、ストレートアヘッドなジャズにラテン、ファンクの要素も加えた内容になっていて、確かなテクニックに裏打ちされた実力派ミュージシャンたちによって、火花を散らしたパワフルなプレイを繰り広げている。それに加えて、パワフルなドラミングが好きな人にとっては、デイブ・ウェックルのドラミングを存分に堪能できる作品に仕上がっている。個人的な好みでいえば、これは聴き応えのあるなかなかいいアルバムだと思う。

お気に入りのアルバムがまた一つ増えたという感じだ。

Date: 2015/08/23
Artist: 松本茜
Title: Memories of You


ジャズピアニスト・松本茜の新作アルバム。新作が出たという情報を何かで目にしていたので、新宿のタワレコに行った時、早速買ってきたのだ。

このアルバムは彼女の3枚目のアルバムだけど、実に5年振りの新作ということになる。1枚目と2枚目のアルバムを出したときは、彼女はたしかまだ女子大生じゃなかったかな。この間彼女自身のピアノトリオでの活動の他、様々なミュージシャンと共演していたようで、今回、前回同様にューヨークに渡って新作のレコーディングを行なったそうだ。
今回の作品で彼女と共演しているのは、現代ジャズシーンで最高峰のリズムセクションといわれるピーター・ワシントン (Peter Washington; bass) とジーン・ジャクソン (Gene Jackson; drums) の二人だ。
収録されているのはユービー・ブレイク、オスカー・ピーターソンなどの作品や、" Danny Boy " のようなトラディショナルなナンバー ( " Danny Boy " はアイルランドの民謡で、いろんな人が取り上げている) の他、彼女自身によるオリジナルナンバーで構成されていて、強力な二人のバックアップを得て、アップテンポのナンバーでは飛び出すような勢いのあるピアノを、また、スローなナンバーではしっとりと美しいピアノやブルージーなピアノと、彼女の真髄であるグルーブ感あふれるビバッププレイを存分に聴かせてくれる。

Date: 2015/07/25
Artist: 山中千尋
Title: Syncopation Hazard


ジャズ・ピアニスト、山中千尋の新作アルバム。新作が出るという情報を入手していたので、発売されるのを心待ちにしていたのだ。もちろん、初回限定版 (CD+DVD) を買った。

ここ2、3年は、ビートルズの楽曲に取り組んだかと思うと、次は彼女のルーツともいえるクラシックの楽曲に取り組み、さらには、サックスやトランペットといった管楽器を含んだセクステット編成 (6人編成) によるアンサンブルに取り組むなど、様々な楽曲・スタイルに取り組んできたが、今回はジャズの源流に立ち戻ったといえるような作品だ。
彼女のピアノとベースとドラムによるいつものピアノトリオによる編成で、ベースは Yoshi Waki (脇義典) 、ドラムスは John Davis だ (う~ん、二人とも知らない人だ) 。ちなみに、彼女はアコースティック・ピアノだけでなく、曲によっては、Fender Rhodes (エレクトリック・ピアノ) やシンセサイザー、クラビネット (かな?そんな音が聴こえてきたけど、シンセサイザーで出しているのかも) も一部使用しているようだ。
収録されている楽曲は、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したアメリカの作曲家・ピアノ演奏家、スコット・ジョプリン (Scott Joplin;ラグタイムで有名な演奏家・作曲家であり、「ラグタイム王」と呼ばれたそうだ) の作品を中心に、キース・ジャレット (Keith Jarrett) の作品のほか、彼女のオリジナル曲によって構成されている。今回の作品では彼女特有のデフォルメはあまり感じられず (というか、スコット・ジョプリンの元の楽曲を知らないので、デフォルメされているかどうかがわからない) 、全体的に聴きやすくて、なかなかいい作品に仕上がっていると思う。

特典DVDの方は、CDに収録されている " Syncopation Hazard " (彼女のオリジナル) 、" The Entertainer " 、" Sunflower Slow Drag " (2曲ともスコット・ジョプリン作) のスタジオでのレコーディングの様子が収録されている。

Date: 2015/07/25
Artist: Dave Grusin & Lee Ritenour
Title: Live at the Jakarta International Java Jazz Festival 2013


ジャズ/フュージョン界の2大巨頭ともいえるデイブ・グルーシンとリー・リトナーのライブアルバム。新宿のタワレコでたまたま見つけたのだ。輸入版だけど、日本版が出るのかどうかわからなかったので、買うことにしたのだ。
リー・リトナーは、いまさら言うまでもないけど、ラリー・カールトンと並び称されるフュージョン界の2大ギタリストだ。一方のデイブ・グルーシンはジャズ/フュージョンのみならず、アダルト・コンテンポラリー (AC) や映画音楽など幅広いジャンルで活躍するピアニスト、作曲家、プロデューサーだ。僕はデイブ・グルーシンとリー・リトナーの合作アルバムといえば、随分前に買った『Harlequin』を1枚だけ持っているけど、それ以来ということになる。

今回のライブアルバムは、2013年にインドネシアのジャカルタで開催されたインターナショナル・ジャヴァ・ジャズ・フェスティバルでのライブを収録したものだ。バンドのメンバーは、リー・リトナー (Lee Ritenour; guitar) 、デイブ・グルーシン (Dave Grusin; piano/keyboards) 、メルヴィン・デイヴィス (Melvin Davis; bass) 、ソニー・エモリー (Sonny Emory; drums) の4人だ。確かなテクニックに裏打ちされた4人のミュージシャンによる、ライブならではの臨場感あふれる演奏が繰り広げられている。なかなか聴きごたえのある、いいライブアルバムだ。

ところで、インターナショナル・ジャヴァ・ジャズ・フェスティバルでのライブは、小林香織のアルバムにも特典DVDとしてライブ映像が付いていたけれど、このときのライブ映像もあるのかな?このライブアルバムもCDで音だけを聴くのもいいけど、DVDでライブ映像を観たい思った。ためしに、ネットで検索してみたら、ライブDVDが発売されていた (これも輸入盤かな?) 。ちゃんと調べておけばよかった・・・。

Date: 2015/07/01
Artist: 小林香織
Title: Story ~ 10th Anniversary ~


アルトサックス奏者、小林香織の新作アルバム。タワレコのWebサイトを見ていたら、新作CDが出ているのに気がついた (うかつにも、今まで気が付いていなかった) 。今回はいつものような店舗での買い物ではなく、オンラインショップでクーポンを使って買うことにしたのだ (もちろん初回限定盤DVD付きを) 。

今回のアルバムは彼女のデビュー10周年を記念したベストアルバムで、これまでリリースしたアルバムの中から選りすぐった10曲の楽曲のほかに、新曲が3曲収録されている (1曲目の 「Stream Line」 、2曲目の 「Never Say Never」 、最後の曲の 「Rock with You」 ) 。なんでも、この追加収録された3曲は、シャカタクのドラマー、ロジャー・オデル (Roger Odell) の息子・ジェイミー・オデル (Jamie Odell) がプロデュースしたものだそうだ (とはいっても、僕はロジャー・オデルは知っているけど、息子のことまでは知らなかった) 。

特典DVDの方は、インドネシアのジャカルタで開催された " Jakarta International Java Jazz Festival 2013 " でのライブ映像が収録されている。演奏している楽曲は、「Kira-Kira ~ Airflow ~ Shiny ~ Solar ~ Precious」のメドレーだ。前作 「Spirit」 の特典DVDにもこのときのライブ映像が収録されていたけど、今回は前回のDVDでは収録されていなかった映像が収録されている。
なんか、グリコのキャラメルのような (一粒で二度おいしい) 映像ソースの使い方のような気がするけど、所詮オマケのDVDだし、まいっかぁ・・・。

Date: 2015/05/30
Artist: 渡辺貞夫
Title: I'm With You


日本を代表するサックス奏者、渡辺貞夫さんの新作アルバム。新作が出ていたとは知らず、新宿のタワレコでたまたま見つけ、買ったのだ。

今回のアルバムは、60年を超えるキャリアの中で初となるビッグバンド・アルバムで、しかも去年の12月に渋谷のオーチャードホールでのライブを収録したものだ。ライブで彼をサポートしているのは、イエロー・ジャケッツのキーボード奏者、ラッセル・フェランテ (Russell Ferrante) 、ウェザー・リポートなどで活躍したドラマー、ピーター・アースキン (Peter Erskine) 、エドウィン・リビングストン (Edwin Livingston; bass、うーん、この人は知らない人だ) といった海外勢に加えて、トロンボーン奏者の村田陽一を中心とした日本人のホーン・プレイヤー (サックス、トロンボーン、トランペット) といった、総勢16人のミュージシャンたちだ。
全体にまとまっている、グルーブ感あふれるビッグバンドをバックに、彼のサックスが縦横無尽に駆け抜けるという、まさに最高のライブ演奏を繰り広げている。彼のサックスだけでなく、ラッセル・フェランテのピアノソロやピーター・アースキンのドラムソロ、さらには安定感あるホーンセクションなど、聴きどころも満載で、「このライブ、行きたかったなぁ」そう思えるなかなかいいライブアルバムだと思う。

Date: 2015/05/30
Artist: Matthew Stevens
Title: Woodwork


ジャズ・ギタリスト、マシュー・スティーヴンスのアルバム。新宿のタワレコでたまたま見つけ。視聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。

僕は彼のことを全然知らないので、調べてみたところ、1982年カナダのトロント生まれで、現在はニューヨークを拠点に活動している、現代ジャズシーンで、パット・メセニー~カート・ローゼンウィンケルの次の時代を担う最重要若手ギタリストと目されているらしい。今回満を持して初リーダー作をリリースしたということのようだ。
レコーディング・メンバーは、マシュー・スティーヴンス (Matthew Stevens; guitar) 、ジェラルド・クレイトン (Gerald Clayton; piano) 、ヴィセンテ・アーチャー (Vicente Archer; bass) 、エリック・ドゥーヴ (Eric Doob; drums) 、パウロ・スタナーロ (Paulo Stagnaro; percussion) の5人だ。う~ん、山中千尋と共演したこともあるベーシストのヴィセンテ・アーチャーの名前を聞いたことがあるくらいで、他は全然知らない人ばかりだ・・・。
収録されている曲は、7曲目のデヴィッド・ボウイのカバー「Sunday」を除き、すべて彼のオリジナル作品で、曲によってエレクトリック・ギターとアコースティック・ギターを使い分けている。エレクトリック・ギターもナチュラルなサウンドだけでなく、オーバードライブを効かせたサウンドもありと、変幻自在のサウンドのギタープレイを聴かせてくれる。なかなか聴きごたえのある作品だと思う。

Date: 2015/04/22
Artist: 松居慶子
Title: Soul Quest World Tour ~ Live in Tokyo ~


世界的スムースジャズ・ピアニスト / キーボード奏者、松居慶子のライブアルバム (CD+DVD) 。ライブアルバムが出たのを知らなかったので、新宿のタワレコで偶然見つけて、思わず買ってしまった。

このアルバムは、2013年に発売されたアルバム『Soul Quest』リリースを記念した “ワールドツアー2014” のうち、東京・六本木のEXシアターでのライブを収録したものだ (残念ながら、僕はライブに行きそびれてしまった) 。
以前は彼女のライブにはほぼ毎年のように行っていたんだが、ここ何年かはなかなか行く機会がなかったので、彼女の新しいライブ演奏を聴くのは本当に久しぶりだ (昔のはDVDでときどき観るけど) 。バンドメンバーは、Dave Karasony (drums) 、Rico Belled (bass) 、JP Mourao (guitar) 、Tom Braxton (sax) と、以前とはガラッと変わっていて、知らない人たちばかりだ。それから、ゲストとしてなんと、チャック・ローブ (Chuck Loeb; guitar) とカーク・ウェイラム (Kirk Whalum; sax) という、スムースジャズ界の二人の大物も参加している。
ライブで演奏されている曲は、" Soul Quest World Tour " とうこともあり、アルバム『Soul Quest』からの曲がメインだが、" Forever Forever " (ピアノソロ) 、" Safari" 、" Bridge Over the Stars " 、" Deep Blue " (ピアノソロ、CDのみに収録) などのおなじみの曲もある。全体的にグルーブ感にあふれている感じだが、洗練されたメロディが、研ぎ澄まされたテクニックで、時には繊細に、時にはエネルギッシュに彼女のピアノから繰り出される。そして、彼女のピアノと、チャック・ローブのギター、カーク・ウェイラムのサックス、それからバンドメンバーがひとつになって、最高の演奏を繰り広げている。これを聴いていると、このライブに行きたかったと、今更ながら思ってしまった。

なお、DVDの方は、ライブ映像のほかに、リハーサルの模様、南米やロシアなどでのロード・ムービーなどが収録されている。

この次日本で彼女のライブがあるときは、なんとかして行きたいなぁ。

Date: 2015/04/22
Artist: 矢野沙織
Title: Bubble Bubble Bebop


アルトサックス奏者・矢野沙織の新作アルバム。新作が出たという話を何かで読んでいたので、新宿のタワレコで早速買ってきたのだ。

実に2年半もの沈黙を破り、世に送り出したこのアルバムは、彼女の音楽の中心をなすビバップから、ファンキーなジャズ、はたまたラテンの香りのするジャズまで、色々取り揃えたような内容になっている。その中で注目すべきは、3曲目の " Puerto Rico ~ 砂とスカート " では、日本のサルサバンド、Salsa Swingoza (うーん、知らないバンドだ・・・) をフィーチャーしていて、まさにキューバン・ラテンの世界に引き込み、5曲目の " Mercy, Mercy, Mercy " では、SOIL&"PIMP"SESSIONS の元晴 (Tenor Sax) 、タブゾンビ (Trumpet) が参加していて (うーん、これも知らない人たちだ・・・) 、ファンキーな世界を展開している。さらに、8曲目の " Bye Bye Babylon " では、なんと彼女自身による詩の語りとヴォーカルも披露している。
今回のアルバムは、彼女が今やりたいことをてんこ盛りにして作ったような作品なんだろうという気がする。もちろん、彼女のサックスも堪能できるいい内容のアルバムだと思う。

ところで、このCDを買ったら、アルバム発売記念のタワレコ特製コースターもついてきた。コースターのデザインは、サックスを持つ彼女の後姿の写真だ。でも紙製なので、実際に使うというよりは飾った方がいいようなものだ。

Date: 2015/02/28
Artist: Stuff
Title: Live in New York


アメリカのフュージョンバンド、スタッフのライブアルバム。今回も昔のアルバムを買おうと思って、タワレコの店内を見て回って、このアルバムが目にとまったので、買うことにしたのだ (試聴はできなかったけど) 。
スタッフといえば、1970年代後半から80年代前半にかけて活動した、アメリカの有名なフュージョンバンドだけど、僕はこのバンドのアルバムは1枚くらいしか持っていなかったのだ。

このアルバムは、1980年にニューヨークのジャズクラブ“ミケールズ (Mikell's) ”でのライブの模様を収録したのもで、メンバーは、リチャード・ティー (Richard Tee; keyboards) 、エリック・ゲイル (Eric Gale; guitar) 、コーネル・デュプリー (Cornell Dupree; guitar) 、ゴードン・エドワーズ (Gordon Edwards; bass) 、スティーヴ・ガッド (Steve Gadd; drums) 、クリス・パーカー (Chris Parker; drums) の6人で、メンバーのみんなが一流のセッション・ミュージシャンというスーパー・バンドだ。バンドの特色として、ギタリストとドラマーが2人ずついるという、独特の編成で、オリジナルメンバーによるアルバムとしてはこれが最後のアルバムだそうだ。
内容的には、最初から最後までノリの良い演奏が続き、メンバー全員が一体となって、これでもかと畳みかけてくるようにグルーブしまくっている様は、まさに圧巻だ。それから、観客の話し声や笑い声、グラスや食器がぶつかる音も混じっていて、いかにもジャズクラブでのライブという雰囲気が伝わってくる。メンバーのうち何人かは既に他界しているので、もうスタッフというバンドとしての彼らの演奏を直に聴くことはできないが (スティーヴ・ガッドとクリス・パーカーは今も活動を続けているが) 、これは亡くなったメンバーを含めた彼らのライブ演奏を収録した貴重なアルバムだと思うし、35年経った今でも輝きを失わない、なかなかいいライブアルバムだ。

Date: 2015/02/28
Artist: Grover Washington, Jr.
Title: Skylarkin'


フュージョン/スムースジャズ系サックス奏者、グローヴァー・ワシントンJr.の昔のアルバム。久々に町田のタワレコに行ってCDを選んでいたら、たまたま目に入ってきて、懐かしくなって買ってしまった。

グローヴァー・ワシントンJr.といえば、“スムースジャズの父”といわれ、20世紀のフュージョン/スムースジャズ・シーンを代表するサックス奏者で (彼は、ミレニアム目前の1999年12月17日に、56歳の若さで亡くなった) 、そして僕の好きなサックス奏者の一人だ。このアルバムは1980年、大ヒットを記録した『ワインライト (Winelight) 』の直前にリリースされたものらしい。僕は『ワインライト』を含めて彼のアルバムは何枚か持っているのだが、このアルバムの存在を知らなかったので、今回買うことにしたのだ。
アルバム中、彼はソプラノ/アルト/バリトン・サックスだけでなく、フルートも吹いている (これは知らなかった。でも、サックス奏者でフルートも吹く人は何人か知っている。同じ木管楽器だしね) 。レコーディングに参加しているミュージシャンの中には、エリック・ゲイル (Eric Gale; guitar) 、マーカス・ミラー (Marcus Miller; bass) 、ラルフ・マクドナルド (Ralph MacDonald; percussion) など、錚々たる人たちが顔を揃えている。
内容的には、いかにも1980年前後のフュージョン・サウンドという雰囲気で、R&B やファンク的なテイストにあふれた彼のサックスから放たれる音が、アルバムタイトル " Skylarkin' " にあるように、宙を舞っている感じがする (skylark には「ヒバリ」の他に、動詞として「はね回る」というような意味がある) 。彼のサックスを十二分に堪能することができる、なかなかいい作品だと思う。

Date: 2015/01/10
Artist: Pink Floyd
Title: The Endless River / 永遠 (Towa)


英国を代表するプログレッシヴ・ロック・バンド、ピンク・フロイドの新作アルバム。久しぶりにロックのアルバムを買おうと思って、今回はこの作品を買うことにしたのだ (CD+DVD の Deluxe DVD Version を買った) 。
1994年の「TSUI / 対」以来、実に20年振りに発表されたスタジオ録音アルバムなのだが、その間、2008年にはキーボード奏者のリック・ライト (Richard Wright) が他界し、この作品はリック・ライトへのトリビュート作品であり、彼の生前の演奏が収録されている。

CDの方は、最後に収録されている " Louder Than Words / ライダー・ザン・ワーズ ~ 終曲 (フィナーレ) " 以外は、すべてインストゥルメンタル曲で構成されているが、曲の切れ目がほとんどなく、全体で1つの主題を表わしたような構成になっている (まぁ、これは「The Dark Side of the Moon / 狂気」などでもそうだけど) 。また、" Talkin' Hawkin' / トーキン・ホーキン~ホーキング博士の伝言 " では、理論物理学者スティーブン・ホーキング博士のコンピュータによる音声サンプルの台詞もフィーチャーされている。

DVDの方は、アルバム (CD) に収録されている全曲と、6つのビデオ・トラックと3つのオーディオ・トラックで構成されていて、" Anisina / 追慕~遥かなる想い " 、" Allons-y / 出発 (だびだち) " の2曲以外はアルバム未収録曲だ。ビデオ・トラックはスタジオでのレコーディングの様子などを収録した映像と写真 (どちらもモノクロ) だが、中にはビデオカメラのファインダーを覗いたときのような映像になっているものもある。アルバムとオーディオ・トラックはその名のとおり音だけで映像はなく、曲のタイトルが画面に表示されるだけだ。(DVDの方は昔のライブ映像とかを期待していたので、少し期待を裏切られた感じがしないでもないが・・・。)

ところで、リック・ライト亡き後、ピンク・フロイドはデヴィッド・ギルモア (David Gilmour; guitar) とニック・メイソン (Nick Mason; drums) の二人だけになってしまったが (ベースのロジャー・ウォーターズ (Roger Waters) は1985年に脱退) 、これはピンク・フロイドというバンドの最終章を飾るアルバムということになるのかな。
巷では、この作品に対しては賛否両論があるようだけど、これが彼らの最終章に対する答えだと思うし、僕はこれはこれでいいと思う。リック・ライト亡き今は、もうピンク・フロイドとしての演奏は聞くことができないのだから。

なお、日本盤ブックレットには、アルバム解説の他、ピンク・フロイド担当の歴代ディレクターが語る秘話も収録されている。