♬ 音楽CD&DVD ♪

■CD編 - 2016年 

最近買った音楽CDやDVDについてのページです。ブログやPCに保存してある日記に書いていたもを集めて、一部加筆・修正して一覧にしてあります。このページで紹介しているCDは2016年に買ったCDです。

 

Date: 2016/11/03
Artist: 小林香織
Title: Melody


アルトサックス奏者、小林香織の新作アルバム。新作が出たということは知っていたので、買おうと思っていたのだ (一応試聴はしたけど) 。

今回のアルバムは彼女自身初の洋楽カヴァーアルバムということで、収録されている曲もテイラー・スウィフト ( Shake It Off ) に始まり、ボズ・スキャッグス ( Runaway ) 、シカゴ ( Saturday In The Park、懐かしい曲だ) 、エアロスミス ( I Don't Want To Miss A Thing、映画『アルマゲドン』のテーマソング) 、それからベートーヴェン ( Joyful Joyful、この曲は交響曲第9番第4楽章の主題旋律が元になっているけど、ほとんど原型をとどめていないほどアレンジされている) などと続き、最後にはエリック・クラプトン ( Tears In Heaven ) で締めくくっている。

クレジットを見ると、彼女はいつものサックスとフルートの他にキーボードもやっている (キーボードも演奏するとは知らなかった) 。それから、なんと、さかなクンがバス・サックスで参加しているではないか ( Shake It Off、彼がサックスを吹くのは、たしかTVでも見たことがあるような…) 。他にも、ジェイミー・オデル ( Jamie Odell: 彼はシャカタクのドラマー、ロジャー・オデルの息子で音楽プロデューサー。キーボードとプログラムングの他に、何曲かはアレンジもしている) 、鈴木茂 ( acoustic guitar、Tears In Heaven ) と、聴きどころ満載だ。

彼女は何年か前に邦楽をカヴァーしたアルバムを出しているけど、それに比べると今回の作品は、曲の雰囲気とサックスの音色がマッチしていて、かなりいいものに仕上がっていると思う (あくまで個人的見解です) 。これは部屋の中だけでなく、車でドライブしながら、はたまた街中を散策しながら聴くのにもってこいのアルバムだ (これまで彼女のアルバムはどれもそうだけど) 。

Date: 2016/11/03
Artist: 松居慶子
Title: Journey To The Heart


世界的スムースジャズ・ピアニスト、松居慶子の新作アルバム。彼女の公式 Web サイトで新作が出たということを知って買おうと思っていたので、仕事で都心まで行った時、帰りに新宿のタワレコに寄って早速買ってきたのだ (初回スリーブ仕様、ボーナストラック収録、16Pフォトブックレット付きの日本限定盤を買った) 。今年全米デビューから30周年を迎えた彼女の、スタジオ録音アルバムとしては前回の『 Soul Quest 』以来の約3年ぶりのアルバムだ。

今回のアルバムは彼女の新たなプロジェクト、" アコースティック・バンド " による第1作目のアルバムだそうで、なんでも、2016年8月5日全米にてリリースした本作が、8/27付け全米ビルボード・コンテンポラリージャズ・チャート初登場1位を獲得したのだそうだ。これは彼女としてはアルバム『 Deep Blue 』以来2度目の1位獲得で、日本人アーティストとしては初の快挙なのだ。

参加しているミュージシャン達が紡ぎ出すアコースティック楽器による生音、生演奏に徹底的にこだわったナチュラルなサウンドで彼女の美しいメロディをさらに引き立たせた作品になっていると思う。また、彼女らしいフレーズに、ときおりラテン音楽の香りやブルージーなスライドギターサウンドをエンッセンスとして加え、彼女の音楽の世界がさらに広がりを見せている感じがする (個人的な感想ですが) 。これを聴いていて、やはり彼女は現代の音楽を代表する音楽家の一人だという思いを強くした。

Date: 2016/07/30 
Artist: Mammal Hands
Title: Floa


UKジャズ・トリオ、ママル・ハンズ (Mammal Hands) の新作アルバム。新宿のタワレコで新作が出ているのを見つけ、思わず買ってしまった (一応、試聴したけど) 。

2年前に彼らのデビューアルバムをたまたま見つけて買ったのだが、それ以来、気になっているトリオなのだ。彼らはUKマンチェスターを拠点とした新鋭レーベル " Gondwana Records " 一押しの、サックス (Jordan Smart) 、ピアノ (Nick Smart) 、ドラム&タブラ (Jesse Barrett) という変則的な編成の、新進気鋭のトリオなのだが、デビュー以来、モントリオール・ジャズ・フェスティバルに出演するなど、注目を集めているようで、今回の2作目にも注目が集まっている。
彼ら3人によって紡ぎだされる、美しく、ときには切なさも感じるメロディー、またそれとは対極的な大胆な即興演奏をはさみながらも、全体として調和のとれた音楽は、彼らのポテンシャルの高さを示す、渾身の作品に仕上がっていると思う。彼らの”哺乳類の手”( " mammal " は哺乳動物という意味) によって心を鷲づかみにされた感じだ。

これを聴いていたら、一度彼らのライブ演奏を聴いてみたくなった (来日する予定があるのかどうか分からないけど) 。こりゃ、次の作品も楽しみだな。2作目が出たばかりなので、次はいつになるかわからないけど、いやが上にも期待が高まってしまう。

Date: 2016/07/30 
Artist: 山中千尋
Title: Guilty Pleasure


ジャズピアニスト・山中千尋の新作アルバム。新作が出たという情報を入手していたので、新宿のタワレコに行って早速買ってきたのだ (もちろん初回限定盤CD+DVDを) 。

今回のアルバムは彼女のCDデビュー15周年を記念したアルバムだそうで、オリジナル曲を中心にした意欲作だ。そうかぁ~。僕が彼女のことを知ったのは、彼女がメジャーデビューする前の”澤野工房”からCDを出していた頃で、それ以来彼女のファンになったんだが、それからもうそんなに月日が流れたのかと思うと、感慨深いものがある。
レコーディングメンバーは前作と同じで、彼女の他に、Yoshi Waki ((脇義典;Bass) 、John Davis (Drums) というニューヨークのレギュラーメンバーによるピアノトリオだ。アルバムの中で彼女はピアノの他に、エレクトリック・ピアノ (Fender Rhodes) とオルガン (Hamond B-3) も使用している。

アルバムタイトルもなかなか面白い (個人的には気に入っている) 。" guilty pleasure " は直訳すると「罪な喜び」という意味だが、もっとくだけた言い方をすると、「 (良くないことと) わかっちゃいるけど、やめられない (楽しみ) 」とでもいうような意味だ (なんか、クレイジーキャッツの”あのフレーズ”が頭に浮かんでくるが・・・。古いなぁ~) 。彼女がこのタイトルをつけた理由まではわからないけど、レギュラーメンバーとともに、メロディアスでありながら、時にスリリングなインプロヴィゼーションへと向かう、彼女の独自な音楽の世界を繰り広げている。これが彼女にとって「わかっちゃいるけど、やめられない」ということなのかな? そんな感じのするアルバムだ (って、勝手に解釈しているけど) 。

DVDの方は、アルバムに収録されている5曲 " Caught in the Rain " 、" Clue " 、" The Nearness of You " 、" At Dawn " 、" Red Dragonfly " のスタジオライブ (レコーディング?) の様子が収録されている。カメラの角度のせいか、彼女は終始うつむき加減で表情がほとんど読み取れず、淡々と演奏している感じがするが、気のせいか?

Date: 2016/05/28
Artist: 纐纈歩美
Title: Art


アルトサックス奏者・纐纈歩美の新作アルバム。タワレコからのメールマガジンで新作が出るという情報を入手していたので、買おうと思っていたのだ。

今回のアルバムは2014年11月に発売された「Balladist」以来の、1年半振りの新作で、通算6作目の作品だ。前回同様、今回もニューヨークでレコーディングされたもののようで、メンバーは彼女の他に、ジェレミー・マナシア (Jeremy Manasia; piano) 、マイク・カーン (Mike Karn; bass) 、マーク・テイラー (Mark Taylor; drums) のカルテット編成だ。

今回の作品は、彼女の敬愛するジャズ・サックスの巨匠、アート・ペッパー (Art Pepper) の作品を取り上げたもので、アルバムタイトルの " Art " は、アート・ペッパーの " Art " と芸術の " Art " の両方の意味を込めてつけられたものなのかな? (って、勝手に解釈しているけど)
ベースとドラムをバックに、彼女のサックスとジェレミー・マナシアのピアノが交錯していくような感じで、アート・ペッパーの作品を彼女なりの現代感覚で表現していると思う。全体的に聴きやすく、なかなかいい作品だ。

ところで、これを買ったら、タワレコオリジナル特典CDが付いてきた。アルバムにも収録されている「Holiday Flight」の別バージョンが収録されている。

Date: 2016/05/28
Artist: Larry Carlton & Steve Lukather
Title: Live at Blue Note Tokyo


ジャズ/フュージョン界のトップギタリスト、ラリー・カールトンと元 TOTO のギタリスト、スティーブ・ルカサーがブルーノート東京で共演したライブアルバム。新宿のタワレコでたまたま見つけ (ライブ盤が出ていたとは知らなかった) 思わず買ってしまった (一応試聴したけど) 。

このアルバムは、2015年1月から2月にかけて行われたラリー・カールトンとスティーブ・ルカサーの日本縦断ツアーの最終公演であるブルーノート東京でのライブを収録したもので、ロベン・フォード、デヴィッド・T・ウォーカーに続き、ラリー・カールトンとグレイト・ギタリストとの共演第3弾のライブアルバムのようなものだ。僕の大好きなギタリストの一人である " Mr.335 " ラリー・カールトンについては今更言うまでもないが、スティーブ・ルカサーは元 TOTO のギタリストという経歴からロック・ギタリストというイメージがあるが、ロックだけでなく、ジャズやブルースなど様々なジャンルの音楽を弾きこなすギタリストだ。

ライブで彼ら二人をサポートしているのは、ベースはラリーの息子であるトラヴィス・カールトン (Travis Carlton) 、キーボードはジェフ・バブコ (Jeff Babko) 、キース・カーロック (Keith Carlock) の三人だ。アルバムには、オープニングのジェフ・ベックの「The Bump」、それからエリック・クラプトンが1960年代後半のクリーム時代に名演を残している「Crossroads」の他に、アンコールで演奏されたビートルズの「Why My Guitar Gently Weeps」( " Why my guitar gently weeps ・・・ " というサビの部分は観客も大合唱している) などが収録されている。この他にも二人のグレイト・ギタリストの白熱のプレイを堪能できるアルバムだ (ただ、ちょっと残念なのは、ラリー・カールトンの代表曲「Room 335」が収録されていないことだ。ライブでは演っていたようだけど・・・) 。これを聴いていて「このライブに行きたかったなぁ」と今更ながら思ってしまった。

Date: 2016/04/02
Artist: 寺井尚子
Title: Twilight


日本が世界に誇るジャズ・ヴァイオリニスト、寺井尚子の新作アルバム。久しぶりに銀座の山野楽器にCDを買いに行って、新作が出ているのを見つけたので買うことにしたのだ (一応試聴はしたけど)。
彼女のアルバムを買うのは2年振りのような気がする。今回買ったのは初回限定盤 (SHM-CD+DVD) だが、彼女のアルバムで DVD が付いているのは初めてではないかな? (記憶している限りでは)

今回のアルバムは彼女の初のセルフ・プロデュース・アルバムということらしく、レコーディングのメンバーも、佐山雅弘 (piano) 、金子健 (bass) 、荒山諒 (drums) 、松岡“matzz”高廣 (percussion) と、以前のレギュラーメンバーとはガラリと変わっている (元クオシモードの松岡は前々作から参加しているが、調べたところ、他のメンバーも前作から入れ替わっているようだ) 。
彼女の作品といえば、「情熱的」なヴァイオリンというイメージがあるけど (個人的見解ですが) 、今回は美しくメロディアスな楽曲の叙情的なヴァイオリンを、また、時にはファンキーな、またあるときにはブルージーなヴァイオリンを聴かせてくれる、そんな感じの作品だと思う。

特典DVDの方は、アルバムに収録されている『セイム・オールド・ストーリー』、『ブエノスアイレスの冬』、『ルナー・ダンス』のスタジオ・ライブが収録されている。

Date: 2016/04/02
Artist: Kenny Barron Trio
Title: Book of Intuition


ジャズ・ピアニスト、ケニー・バロンによるピアノトリオの新作アルバム。銀座の山野楽器でたまたま目にとまり、試聴してみたら結構良かったので買うことにしたのだ。
僕は彼のことを全然知らなかったので、一応ネットで調べてみた。それによると、彼は1943年に米ペンシルバニアに生まれ、1960年代初頭の彼がまだ十代の頃から音楽活動を始め、デビュー以来、多くのミュージシャンと共演し、73歳になった現在もジャズの王道を歩み続け、ビバップ以降の最重要ピアニストの一人だそうだ。これまでグラミー賞に9回ノミネートされ、2010年には NEA (米国立芸術基金) のジャズ・マスターにも任命されたそうだ (そうか~。そんなにすごいピアニストなのに、今までノーマークだったということか…) 。

ピアノトリオのメンバーは、彼の他に北川潔 (bass) 、ジョナサン・ブレイク (Johnathan Blake; drums) だ (うーっ、知らない人たちだ) で、収録されている曲は、大部分が彼の作曲によるものだ。
内容的には、ビバップ以降の最重要ピアニストと言われるだけあって、ストレートアヘッドなモダン・ジャズ満載で、なかなか聴き応えのある作品だと思う。お気に入りのピアニストがまた一人増えたという感じだ。

※最近はどちらかというと、若いおねえちゃんのジャズを聴くことが多いのだが、たまには彼のようなベテラン・ミュージシャンの作品を聴くのもいいものだ。

Date: 2016/02/06
Artist: 上原ひろみ The Trio Project featuring Anthony Jackson and Simon Phillips
Title: Spark


待ちに待った上原ひろみの新作アルバム。前作『Alive』から実に1年9ヶ月ぶりのアルバムだ。新宿のタワレコに行って早速買ってきたのだ (もちろん初回限定盤 SHM-CD+DVD を) 。

アンソニー・ジャクソン (Anthony Jackson; contrabass guitar) 、サイモン・フィリップス (Simon Phillips; drums) との最強のトリオ " The Trio Project " での活動も5年がたち、アルバムも今作で4作目だ。日本人 (上原ひろみ) 、アメリカ人 (アンソニー・ジャクソン) 、イギリス人 (サイモン・フィリップス) と国籍も世代も超えたトリオは、まるで何十年も一緒にやっているかのような、絶妙の組み合わせのユニットだ。まるでお互いにそれぞれの楽器で会話をしながら自分たちの演奏を楽しんでいるかのようだ。このアルバムに限らず、このトリオで発表した作品はどれも、この3人以外での演奏は考えられないほどの、それぞれのピースがピッタリはまった作品に仕上がっていると思う。

収録されている作品はどれも、去年の12月のブルーノート東京でお披露目されていた曲だ。僕は1日2回のセットのうち1回目の方を聴いたので、そのうちアルバムに収録されている曲の半分くらいを聴いたことになる。聴いてから2ヶ月位経つと記憶がだんだん薄れてくるが、アルバムを聴いているうちにその時の記憶がだんだんよみがえってきた。「Spark」(心を突き動かす衝撃) に始まり「All's Well」(終わりよければすべてよし) に終わったその時のライブと同じように、アルバムタイトルのように才能あふれる ( " Spark " には「閃光」という意味の他に、「ひらめき」「才気」という意味もある) 彼女の音楽の世界に浸ることができる。

特典DVDは、アルバムタイトル曲「Spark」のスタジオライブ映像と、2014年12月の東京国際フォーラムでの「Wanderer」と「Alive」のライブ映像が収録されている (東京国際フォーラムでのライブには僕も行ったけど、僕が行った日のライブなのか―土曜日の公演に行った―までは分からなかったが) 。

Date: 2016/02/06
Artist: 神保彰
Title: Munity


元カシオペアのドラマー・神保彰の新作アルバム。新宿のタワレコで見つけ、試聴してみたら結構よかったので買うことにしたのだ。

神保彰といえばカシオペアの黄金時代を築いた名ドラマーで、カシオペアを脱退後は自身のユニットを結成したり、ソロアーティストとして幅広い活動をしているようだが、活動を再開したカシオペア3rdにもサポートメンバーとして参加している。僕はカシオペア時代の彼のドラミングはずいぶん聴いてきたが、ソロアルバムを買ったのは今回が初めてだ (何故だか今まで買っていなかった)。

今回のアルバムはソロとして通算20枚目のアルバムだそうで、メンバーのエイブラハム・ラボリエル (Abraham Laboriel; Bass) 、オトマロ・ルイーズ (Otmaro Ruiz; Piano & Keyboards) 、アレン・ハインズ (Allen Hinds; Guitar) はほぼ固定メンバーのようだ (うーっ、知らない人たちばかりだ・・・) 。さらに、スペシャルゲストとして元パワー・オブ・パワーのリチャード・エリオット (Richard Elliot; Sax) も参加しているようだ。

アルバムタイトル「Munity」は、「Music」と「Unity」を合わせた造語で、そこには「音楽を通じてひとつになる」という思いが込められているそうだ。内容的にはフュージョンそのものだけど、カシオペアを彷彿させる楽曲から、それとは一味違った楽曲まで (サックスがフィーチャーされている曲は特にそう感じるのかもしれないけど) 、そこには彼の音楽の世界が広がっている。個人的な好みからいっても、なかなかいアルバムだと思うし、街中や車の中で聴きたくなるようなアルバムだ。