最近買った音楽CDやDVDについてのページです。ブログやPCに保存してある日記に書いていたもを集めて、一部加筆・修正して一覧にしてあります。このページで紹介しているCDは2020年に買ったCDです。
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世界から注目を集めているスーパードラマー、川口千里の新作アルバム。今回はタワレコのオンラインショップで買った(諸般の事情で今回は通常盤にした)。
今回のアルバムは、リーダー・アルバムとしては、前作『Cider』以来の実に4年ぶりの通算4作目(メジャーとしては第2弾)のアルバムだ。レコーディング・メンバーは彼女(drums)の他に、櫻井哲夫(bass、元カシオペア)、菰口雄矢(guitar)、安部潤(keyboards)という面々だ。さらに2曲目の「Storm Warning」では、ゲストミュージシャンとしてエリック・ミヤシロ(trumpet)、二井田ひとみ(trumpet)、中川英二郎(trombone)、本田雅人(saxophone)も参加している。
全体的にフュージョン/クロスオーバージャズという感じで、アルバムタイトル『Dynamogenic(活力源)』にあるように、彼女のエネルギッシュで多彩なテクニックを駆使したドラミングを存分に堪能できる内容になっている(もちろん彼女をサポートしているミュージシャンたちも素晴らしい)。彼女のドラミングを形容して”手数姫”の異名をとる彼女だが、4年経ってさらに進化しているようで、今後どのように進化していくのか楽しみでもある。
女性ジャズギタリスト、浅利史花の1stアルバム。タワレコのオンラインショップで見つけ、試聴してみたら(タワレコのサイトでは試聴できなかったので、別のサイトで試聴した)結構よかったので買うことにしたのだ。
女性のジャズギタリストという珍しさもあって目に留まったのだが(僕は他に知らない…。女性ジャズミュージシャンというと、どうしてもピアニストやサックス奏者に目がいってしまう)、彼女のことを全く知らなかったので、ネットで調べてみた。それによると、
「彼女は福島市出身で、5歳頃からクラシックピアノを習い、その後、中学生の頃に姉と兄の影響でロックに興味を持つようになった。高校生になったらロックバンドを組むつもりだったが、学校に軽音部がなかったので、仕方なくジャズ研究部に入部。そこでジャズに出会い、ジャズにハマっていく。2012年に大学進学に伴い上京し、学業の傍ら演奏活動を始める。2015年にはギブソンジャズギターコンテストで決勝進出。数々のミュージシャンと共演を重ねている」
ということのようだ。
アルバムに収録されている曲は、スタンダードナンバーの他、彼女自身によるオリジナルナンバーも2曲収録されている。全体を通して聴いてみて、彼女のスウィギンでブルージーなギタープレイを存分に堪能でき、フルアコースティックのエレキギターで奏でるナチュラルなギターサウンドの良さを再認識させてくれる作品になっていると思う。
これはなかなか良いです。今後が楽しみな若手ミュージシャンをまた一人見つけたという思いだ。
なお、YouTubeで彼女のギタープレイの動画を見つけた。
オランダ出身のサックス奏者、キャンディ・ダルファーの1990年に発売されたソロ・デビュー・アルバム。新宿のタワレコでCDを選んでいたとき、昔のアルバムで持っていないものも買おうと思って、今回はこの作品を買うことにしたのだ(買ったのは2006年リマスター盤)。
彼女については今更言うまでもないが、マドンナやプリンスのオランダ公演でのバックバンド・ミュージシャンとして注目を集めるようになり、その後1989年にオランダ映画『Lily Was Here』のサウンドトラックに参加して、彼女が起用された同名のタイトル曲がヒットして世界的な人気を得た。そして翌1990年にファーストアルバムとしてこの『Saxuality』が発売されたのだ。このアルバムはオランダのみならず、英米などでもヒットし、グラミー賞にもノミネートされるなど、彼女にとって鮮烈なデビュー作となった作品なのだ。
映画のタイトル曲「Lily Was Here」は当初、アルバムには収録されていなかったようで、後に収録されるようになったようだ。今回買ったCDではオープニングがこの曲で、さらに最後には「Lily Was Here (DNA Remix)」も収録されている。他にもファンキーでグルーヴ感溢れる作品で構成されていて、彼女がファンキーサックスの女王と言われる原点がここにあると思う。
なお、11曲目の「Home Is Not A House」は彼女の父で、オランダの有名なサックス奏者であるハンス・ダルファーが作曲し、テナー・サックスで参加している。
というわけで、このアルバムは彼女を語る上で欠かせない作品の一つなのだ(でも、なぜか持っていなかったんだなぁ…)。
オランダのフュージョン・バンド、フルーツケーキの1984年に発売されたデビューアルバム。新宿のタワレコでたまたま見つけ、試聴してみたら結構良かったので買ったのだ。
僕はこのバンドのことを全然知らなかったので、CDの解説やネットの記事を参考にすると、フルーツケーキは、1982年にオランダのアムステルダムのジャズ・クラブで演奏していた Benny Baan(keyboards)、Rob Taekema(guitar)、Jan Paul Driessen(bass)、Bart Adrichem(drums)の4人によって結成され、1983年に1stアルバムであるこのアルバム『Fruitcake』でデビューしたそうだ(日本でのアルバム発売は1984年)。バンド名の由来は「メンバーみんなでアメリカ映画を観に行ったとき、ドジな主人公が車ごと家に突っ込んでしまい、その家の主人から "Hey! Fruitcake!!(このうすらトンカチ!)" と怒られたのが気に入って、バンド名にした」のだそうだ。日本では1980年代から90年代にかけて、ラジオ番組などのBGMとして頻繁に使用されていたようだ(う〜ん、あまり記憶にないなぁ…)。
今回買ったアルバムは、83年から86年にかけてヒットした3作を、20余年の歳月を経て、復刻されたもの一つのようだ。1曲目の「I Like The Way」を聴いたとき、何となくシャカタクに似ているなと思ったが(シャカタクのようなヴォーカルは入っていないが)、全体を通して聴いてみて、かつてBGMとしてよく使用されていたこともあり、シンプルでPOPな感じの聴きやすい楽曲で構成されていて、なかなかいい作品だと思う。
これはドライブや街中を散策しながら聴くのにうってつけだと思うし、80〜90年代のフュージョン・サウンドが好きな人にとってはどこか懐かしさを感じさせるアルバムだと思う。
3人の女性サックス奏者によるユニット "Sax Triplets" の新作アルバム。このユニット、前からちょっと気にはなっていて、試聴してみたら結構良かったので、今回買うことにしたのだ(今回は久しぶりにタワレコ新宿店に足を運んで買ったのだ)。
"Sax Triplets" は、寺地美穂(alto saxophone)、堀江有希子(alto saxophone)、河村緑(Tenor saxophone)という3人の女性サックス奏者によるサックス・ユニットで、このアルバムは彼女らの2作目のアルバムのようだ。新型コロナ禍の最中で多くのミュージシャンが新作を出すことがままならないこのご時世に、こうして新作を出してくれるのはありがたいことだ。収録されている楽曲はどれも彼女たちによるオリジナルのようで、ポップな楽曲、グルーヴ感あふれる楽曲から心温まる楽曲など多彩な曲で構成されている。彼女たちの息のあったアンサンブルに加え、それぞれの持ち味を生かしたサックス・ソロも聴かせてくれる内容になっている。
僕は寺地美穂のアルバムは持っているが、他の2人のサックスは聴いたことがなかったので、どんな感じなのかと思ったが、全体を通して期待(あくまで個人的な期待ですが)以上の作品になっていると思う。
なかなか良いです。
フュージョン・ギターの2大巨塔の一人、ラリー・カールトンの1980年にリリースされたアルバム。例によって昔のアルバムで持っていないものを買おうと思って、今回はこのアルバムにしたのだ。
僕の大好きなギタリストの一人であるラリー・カールトンのこのアルバムはワーナー・ブラザーズにおける2作目のアルバムで、彼の代表曲である『Room 335』が収録され、彼の人気を決定づけた前作『Larry Carlton、邦題:夜の彷徨(1978年リリース)』をさらに発展させた作品だ。『Room 335』を彷彿とさせるドライブ感溢れるギターを聴かせるアルバム・タイトル曲『Strikes Twice』に始まるこの作品は、ロックンロールあり、ジャジーなファンクあり、泣きのギターあり、ヴォーカルあり(ヴォーカルは彼自身による)と、多彩な内容となっている。前作とともにこのアルバムは、最高にカッコいい彼のギターを堪能できる内容で、この時代の彼の音楽、さらには当時のフュージョン・サウンドを知る上でうってつけの作品だと思う。
また、アルバムジャケットも、稲妻を背景にギター(愛器 Gibson ES-335)を弾く姿という構成で、若い頃の彼はロング・ヘアーでカッコ良かったのだ(70歳を超えた今の姿もそれはそれでカッコいいのだが)。
キーボード奏者 ADAM at によるピアノ・インスト・バンドの新作アルバム。鍵盤でできている階段(かな?)の上をネコとキジ、トカゲ、ネズミ、ワニが走っていて、その脇をカラスが飛んでいるという何ともコミカルなジャケットデザインが目に止まり、試聴してみたら結構良かったので、今回買うことにしたのだ(今回もタワレコのオンライショップで買った)。
前からこのバンドのことは気にはなっていたが、彼らのことは全然知らないので、一応公式Webサイトで調べてみた。それによると、「2011年12月にキーボーディスト、ADAM at(本名の TAMADA を逆から読むと ADAM at になることから命名)を中心に静岡県浜松市のライブハウスでインストゥルメンタル・セッション・バンドとして活動を開始したバンド」のようで、現在、「数多くの国内外のフェスティヴァルにも出演する他、テレビ、ラジオのCM音楽やテーマ曲を多数手掛けている」ということらしい。
今回買った『零』は、5月27日にリリースされた彼らの6枚目のアルバムのようだ。親しみやすいメロディの「最終電車」で始まるこのアルバムは、全体的に美しく親しみやすいメロディが印象的な楽曲の他に、ラテンの要素を取り入れた楽曲、アップテンポでハードな楽曲、R&Bっぽいダンス・ミュージックなど、幅広い楽曲で構成されている。
これはなかなかいいアルバムだ。でも何で今までこのバンドの音楽を聴かなかったんだろう? う〜ん…。
「猪突猛進型!? 女性ピアニスト」堀江沙知率いる和製ネオジャズプロジェクト・SANOVA の新作アルバム。新作が出たという話は知っていたので、早速買ったのだ。今回もタワレコのオンライショップで買った。
今回のアルバムは彼らの5作目の作品で、アルバムタイトルにあるように、前作に続き「日本」をテーマにしたもので、「京都」、「花火」、「渋谷」、「敵は本能寺にあり」といった曲名にも表れている(※)。
オープニングの「ZIPANG 弐nd」の”猪突猛進型”ピアノに始まり、彼女らしいサウンドのSANOVAミュージックの世界が広がっていく。そんな中、4曲目の「花火」ではエレクトリック・ベースではなくアコースティック・ベース(ウッド・ベース)が使われていたり(この曲ではドラムとベースは別の人がやっている)、ゆったりとした楽曲の7曲目の「幸せ」ではチェロがフィーチャーされていたり、9曲目の「渋谷」ではピアノサウンドではなくアバンギャルド”的な”(?、適切な言葉を思いつかなかった…)キーボードのサウンドと、いつものピアノトリオとは異なったテイストが盛り込まれている。そして最後の「敵は本能寺にあり」では、曲名から連想されるイメージとは裏腹に、美しいピアノソロで締め括られている。
ジャズ・ピアニスト、山中千尋の新作アルバム。6/24に新作が発売されたので、タワレコのオンライインショップで早速買ったのだ(もちろん初回限定盤 UHQCD+DVD を買った)。
今回のアルバムは、ベートーヴェン生誕250周年、チャーリー・パーカー生誕100周年、そして彼女自身のデビュー15周年と、トリプル記念盤のようだ。レコーディング・メンバーは彼女(Piano, Fender Rhodes)の他に、アヴィ・ロスバード(Avi Rothbard: Guitar)、脇義典(Yoshi Waki: Bass)、ジョン・デイヴィス(John Davis: Drums)と、いつものピアノトリオ編成にギターを加えたカルテット編成だ。
アメリカの作曲家、リチャード・ロジャース(Richard Rodgers)の有名な曲「My Favorite Thing」(※)で始まる今回のアルバムは、ベートーヴェンの楽曲や、チャーリー・パーカーなどによるジャズ・スタンダード・ナーバーに加えて、彼女自身によるオリジナル・ナンバーで構成されている。
カルテットとしてのアンサンブルの中に、随所に彼女のダイナミックなピアノ・ソロとギター・ソロが入れ替わり立ち替わり展開されて聴きどころ満載だ。全体的にはメロディアスで聴きやすく、うまくまとめられたいい作品に仕上がっていると思う。
特典DVDの方は、「My Favorite Thing」、「So Long」(彼女のオリジナルだが、CDには収録されていない)、「Take Love Easy」(デューク・エリントン作)の、ピアノとギター、ベースによるトリオでのスタジオライブ(かな?)の様子が収録されている。
日本を代表するフュージョン・バンド、T-Squareの6月10日に発売された新作アルバム。彼らのCDを買うのは本当に久しぶりだ。何年ぶりだろう?
カシオペアと人気・実力を二分するフュージョン・バンドである彼らは(彼らは自身を「ポップ・インストゥルメンタル・バンド」と位置付けているようだ)、前身の”The Square”時代から通算すると、今年で実にデビュー42周年を迎えるという、とっても息の長いバンドだ。そしてこのアルバムは彼らの47作目のアルバムだ。
長い活動期間中にメンバーが入れ替わってきたが、現在のメンバーは、安藤正容(Guitar)、伊東たけし(Alto Sax, EWI, Flute)、河野啓三(Keyboards)、坂東慧(Drumds)で、他に田中晋吾(Bass)、白井アキト(Keyboards)がサポートメンバーとして加わっている。そして今回のアルバムは、2019年に脳出血のため入院治療・リハビリを余儀なくされた河野の復帰を祝うアルバムでもあるのだ(現在もリハビリ中のため、白井がサポートで参加している)。
ジャケットのデザインから、アルバム・タイトルの『AI Factory』は”AI(Artificial Intelligence:人工知能)のFactory(工場)”をイメージしていたら、タワレコの商品説明には”「近未来の愛(AI)と友情のファクトリー」的な意味を込めた”というようなことが書いてある。なるほど、そういう解釈もあるのか。
”ポップ・インストゥルメンタル”を自認する彼らだけあって、メロディを重視した曲作りは変わらない。久しぶりに聴いた今回の新作アルバムも、メロディアスなナンバーを十分堪能できる作品に仕上がっていると思う。
特典DVDの方は、「HORIZONからAI Factoryへ! 〜 激動の軌跡 〜」というタイトルで、①来日した Philippe Saisse、②河野啓三・復帰ステージ、③新作レコーディング風景が収録されている。
アメリカのロックバンド、ボストンの”驚異の”デビュー・アルバム。緊急事態宣言は解除され、自粛要請も徐々に緩和されてきたけど、前回に続き、今回もタワレコのオンラインショップで買った。実はこのアルバムのLPレコードを高校生の時に買って、よく聴いていたんだが、実家に置いたままになっていてウチでは聴くことができないので、今回CD版を買うことにしたのだ。
アメリカン・プログレ・ハードの雄と呼ばれるボストンは、トム・ショルツ(Tom Scholz)を中心にボストンで結成され、1976年にリリースされたこのアルバムでデビューした。マサチューセッツ工科大学(MIT)を卒業し、ポラロイド社でエンジニアとして製品デザインの仕事をしていたトム・ショルツは、仕事の傍、自宅の地下室でレコーディングした音源を基にした作品がこのアルバム『BOSTON/邦題:幻想飛行』だ。そして発売以降瞬く間に全米チャートを駆け上がり(全米3位)、実に142週にわたってチャートインし続け、全世界で1700万枚以上を売り上げ、”驚異の”デビューアルバムとなったのだ(これは今回ネットで調べて初めて知ったことだ。驚いた!)。
レコーディングもヴォーカルとドラム以外のほとんど全てのパート(ギター、キーボード、ベース)をトム・ショルツが行なっていて、全てのヴォーカル・パートをブラッド・デルプ(Brad Delp)、ドラム・パートはシブ・ハシアン(Sib Hashian)とジム・マスデア(Jim Masdea)によって演奏されている。最後の1曲だけは、集められたバンド・メンバーによってプロのスタジオでレコーディングされている(これはレーベル側からの圧力をかわすためと言われている)。さらに、作詞・作曲、レコーディングエンジニア、総合プロデュースもほとんどショルツ自身によって行なわれていて、まさに天才トム・ショルツによって作りあげられた作品だ。
プログレッシブ・ロックとハード・ロックを融合させ(それゆえ”プログレ・ハード”と呼ばれる)、メロディアスでポップな楽曲と美しいコーラス・ワークとツイン・リード・ギターが織り交ぜられたこの作品は、当時高校生だった僕には、あまり聴いたことのない新鮮なロックという感じがしたのを覚えている。また、アルバム・ジャケットのデザインも、爆発する地球(かな?)からギター型の宇宙船が何機も飛び立っている絵が目を惹くものだった。
「More Than A Feeling/宇宙の彼方へ」に始まり、「Foreplay/Long Time」で最高潮に達するこのアルバムは、発売から44年が経った今改めて聴いてみても、古臭さは全く感じず、当時の輝きが失われていない作品だ。
ジャズピアニスト、松本茜の新作アルバム。前から買おうと思っていたので、タワレコのオンラインショップで探して買うことにしたのだ。
若手ピアニストのホープと目されている彼女の5作目となる今回のアルバムは、ニューヨークで制作された前作、前々作とは打って変わって、メンバーに川村竜(bass)、広瀬潤次(drums)という日本人ミュージシャンを迎えたピアノトリオによる作品だ(レコーディングも日本で行われている)。
アメリカを代表する作曲家ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin、1898 - 1937)が、ミュージカル『Lady Be Good』のために、作詞家である兄のアイラ・ガーシュウィン (Ira Gershwin、1896 - 1983)とともに作った「Oh, Lady Be Good」(アルバムタイトルでもある)で始まり、スタンダード・ナンバーと彼女のオリジナル・バンバーを交えた作品で、あるときは繊細に、またあるときはダイナミックに、彼女らしい美しく、ストレートアヘッドなピアノトリオによる音楽を聴かせてくれている。今回も彼女のピアノを心ゆくまで堪能できる作品になっていると思う。
サックス奏者・寺地美穂の2016年に発売されたメジャー・デビュー・アルバム。タワレコのオンラインショップで見つけ、試聴したら結構良かったので買うことにしたのだ。彼女のアルバムを買うのは、2年ほど前に彼女とギタリストの皆川太一とのライブプロジェクト "Urban Groove Session” のアルバムを買って以来ということになる。
このアルバムは米米CLUBのフラッシュ金子(金子隆博)がプロデュースを担当し、レコーシングには実に多くのミュージシャンが参加している。収録されている曲も、多くは彼女のオリジナル曲だが、他にネイティブ・サンの「Savanna Hot Line」のカバーも収録されている。なお、彼女はアルト・サックスの他に、「Savanna Hot Line」と「I Wanna Say」では、カーブド・ソプラノ・サックス(※)も吹いている。
ストリングをフィーチャーした軽快で心地よいナンバーで始まるこのアルバムは、全体的にメロディアスでグルーヴ感に溢れたスムース・ジャズという内容で、彼女のサックス奏者として、また作曲家としての実力が遺憾なく発揮された作品だと思う。街中を歩いている時や、車の中で聴くのにちょうどいい、なかなかいいアルバムだ。
これを聴いていると、昨今の日本のジャズ界における女性サックス奏者の層の厚さを実感させられる。
ジャズピアニスト・国府弘子の新作アルバム。タワレコのメールマガジン(だったかな?)で新作が発売されたのを知り、ネットで試聴してみたら結構良かったので買うことにしたのだ。国府ねえさんのアルバムを買うのは何年ぶりだろう?
僕が彼女のことを知ったのはもう随分前のことだ。それもピアニストとしてではない。たしか学生の頃か会社に就職したての頃だったと思うが、深夜のTV番組『CNNデイウォッチ』でキャスターとして出演していたときだ(番組のエンディングテーマ曲は彼女の「Over The Seven Seas」だったと思う…僕の記憶違いでなければだけど)。その後、彼女のアルバムを買い漁って、2000年代前半頃まではよく聴いていた思い出がある。その後、プッツリになってしまっていたこともあり(上原ひろみや山中千尋など、彼女の後の世代のピアニストの音楽を盛んに聴くようになったということもあるが)、今回久しぶりに買うことにしたのだ。
今回の作品は彼女の24作目のアルバムで、レコーディングメンバーは、彼女(piano)の他に八尋洋一(bass)、岩瀬立飛(drums)の<国府弘子スペシャルトリオ>と、ゲストミュージシャンとして、早稲田桜子(violin)、小松亮太(bandoneon)、露崎春女(vocal)が参加している(う〜ん、この3人は知らない人たちだ)。
ライブが始まる前のざわつきを収録した「パーティ開演を待つ人々」に始まる今回のアルバムは、彼女のオリジナルナンバーの他に、クラシックの楽曲(メンデルスゾーン「結婚行進曲」、エルガー「威風堂々」、リスト「愛の夢」)をアレンジした楽曲、アルゼンチン・タンゴ、ブラジル音楽など、ジャズやクラシックといったジャンルを超えた楽曲によって彼女のピアノ・パーティが繰り広げられている。
これは彼女の還暦記念パーティなのかな?
『アコースティック・ウェザー・リポート』というタイトルが気になって、ネットで視聴してみたら結構良かったので、買うことにしたのだ。2019年に発売された『アコースティック・ウェザー・リポート2』もあるようだが、まずは2016年に発売されたこちらの方を買った。
アコースティック・ウェザー・リポート(AWR)は、ジャズピアニストのクリヤ・マコトと納浩一(acoustic bass)、則竹裕之(drums)にという、日本人のジャズ/フュージョン界の第一人者よって2015年に結成されたバンドだそうで、1970年代から1986年にかけて活動し、当時のジャズ/フュージョン界を席巻したアメリカのフュージョンバンド ”ウェザー・リポート(Weather Report)”の音楽を、あえてアコースティック(生音)の楽器で、しかもピアノトリオで再現して、ウェザー・リポートの魅力を再発見しようとうコンセプトのもとで始まったものだという。
アコースティックのバンドなので、そこにはシンセサイザーやエレクトリック・ベースの音もなく、ましてやピアノトリオなのでサックスの音もないのだが、そこにはピアノ、アコースティック・ベース、ドラムスの3つの生楽器によって、単なるカバーではなく、”新解釈”のNew Werather Reportの音楽の世界が広がっている。
これはなかなかいいアルバムだ。こりゃ、『アコースティック・ウェザー・リポート2』も聴いてみなくちゃ。
なお、ボーナストラックはクリヤ・マコトのオリジナル曲「View The World」が収録されていて、なんか聴いたことがあるなと思ったら、BS朝日の『いま世界は』(※)のテーマ曲だった(ただし、収録されているのは別バージョン)。
U-NAMというちょっと変わった名前のスムースジャズ・ギタリストのアルバム。
僕が彼のことを知ったのは2012年秋のことだったので、もう8年前のことだ。ジョージ・ベンソンを彷彿させるギターサウンドとメロディに惹かれ、思わずCDを買ってしまったのだ。それ以来気になるギタリストのリストに入っていたんだが、ちょっと前にこのアルバムを見つけ、買うことにしたのだ。このアルバムは2019年にリリースされた彼の7作目のアルバムのようだ。
このアルバムでもジョージ・ベンソンばりのメロウ・トーンでかつ軽快なギターとウェスト・コーストの香り漂うサウンドは健在だ。そして、このアルバムでは80年前後のソウル/R&Bを彷彿させる楽曲で構成されていて、なんとなく懐かしさも覚えてしまう。2曲を除いて全てが彼の手による作品で、アレンジ、プロデュースも彼自身によるもので、彼のセンスが詰め込まれた作品だ。ちなみに、このアルバムでは彼はギター以外にも、ベース、シンセベース、キーボード、プログラミングなどもやっていて、彼の多彩な才能が窺える。(なお、レコーディングには多くのミュージシャンが参加している。う〜ん、知らない人たちばかりだ…)
彼の軽快なギターを堪能できるこの作品は、ギター(特にスムースジャズ・ギター)が好きな人にとっては押さえておきたい作品のひとつだと思う。
(追記)
ネットで検索していたら、3月25日に彼の新作が発売されたようだ。今度はビッグ・バンドをバックにした作品のようだ。これもチェックしておかなければ。
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