♬ 音楽CD&DVD ♪

■CD編 - 2024年 

最近買った音楽CDやDVDについてのページです。ブログやPCに保存してある日記に書いていたもを集めて、一部加筆・修正して一覧にしてあります。このページで紹介しているCDは2024年に買ったCDです。

 

Date: 2024/11/23
Artist: Cream
Title: Live Cream Volume II


cream2 エリック・クラプトンが1960年代後半に結成していたスーパーロックバンド、クリームのライブアルバム。実は高校生の時にこのアルバムのLPレコードを買ったんだが、今はウチではレコードをかけられないので、CDを買うことにしたのだ。

クリームのメンバーは、エリック・クラプトン(Eric Clapton; guitar/vocal)、ジャック・ブルース(Jack Bruce; bass/vocal)、ジンジャー・ベイカー(Ginger Baker; drums)の3人だ。活動期間は1966年から1968年のわずか2年半という短い期間だったが、その演奏スタイルは、ジャズなどの即興演奏(インプロヴィゼイション)をロックに導入し、スタジオ録音では数分間の曲をライブでは10分前後(またはそれ以上)もかけて演奏していた。また、マーシャルの大きなアンプを壁のように並べて、大音量で音を歪ませたギター・サウンドなど、ジミ・ヘンドリックスと共に、その後のハードロックの原型となったバンドだ(少なくとも、僕の認識ではそうだ)。

ちなみに、ドラマーのジンジャー・ベイカーによると、「クリームがロックだったことは一度もない。あれはインプロヴィゼイション」だそうで、さらに「巨大アンプから発せられる爆音が苦痛で耐えられなかった」とハードロックやヘヴィーメタルのサウンドに嫌悪感もしてしてたようだ。

さて、今回のアルバムは "Volume II" と題されているように、クリームのライブアルバムとしては2枚目のアルバムで(残念ながら、僕は1枚目は持っていない)、全米ツアー(1968年3月サンフランシスコ、1968年10月オークランド)での演奏を収録したもので、クリーム解散後の1972年にリリースされたものだ。「White Room/ホワイト・ルーム」、「Tales of Brave Ulysses/英雄ユリシーズ」、「Sunshine of Your Love/サンシャイン・ラヴ」といったクリームの代表曲も収録されている。

アルバム全編を通して、彼ら3人によるスリリングな演奏が続き、極め付けは最後の(といっても6曲目だけど)「Steppin' Out/ステッピン・アウト」で、13分以上にもわたってクラプトンがこれでもかとギターを弾きまくっている。まさにクリーム時代のクラプトンのギター(その当時すでに”God"と評されていた)を堪能できるアルバムだ。

Date: 2024/11/23
Artist: 小曽根真 No Name Horses
Title: Day 1


makoto2 ジャズ・ピアニスト、小曽根真のアルバム。彼のアルバム買ったのは久しぶりのような気がする。今回のアルバムは、彼が率いるビッグバンド No Name Horses 結成20周年記念のオリジナル・アルバムだ。

2015年に小曽根の呼びかけによって結成された総勢15名のバンド “小曽根真 No Name Horses” は、彼の他にトランペット/フリューゲルホーン奏者のエリック・ミヤシロ、トローンボーン奏者の中川英二郎をはじめ、錚々たるメンバーで構成されているが、今回結成20周年を迎えるにあたり、新たにトランペット奏者の松井秀太郎、サックス奏者の陸悠、ベーシストの小川晋平を加えた体制でのレコーディングとなったようだ。

収録されている楽曲は、そのほとんどが小曽根自身によるもので、他にはエリック・ミヤシロ、中川英二郎、三木俊雄(tenor sax)による楽曲も収録されている。

アルバム全体を通して聴いてみて、ビッグバンドならではのサウンドの厚みが感じられ、さらに各メンバーによるソロと、聴きどころ満載の完成度の高い作品になっていると思う。僕はビッグバンドのアルバムはあまり持っていないが、たまにはこういうアルバムを聴くのも新鮮味があっていいものだ。

Date: 2024/11/23
Artist: 山中千尋
Title: Carry On


chihiro24 ジャズ・ピアニスト、山中千尋の新作アルバム。新作が出たことは知っていたので、買おうと思っていたのだ(ボーナストラック+ミニフォトブック付限定盤を買った)。

今回の作品は、今年生誕100年を迎えたジャズ・ピアニスト、バド・パウエル(Bud Powell、1924-1966)と作曲家のヘンリー・マンシーニ(Henry Mancini、1924-1994、オードリー・ヘップバーンの作品『ティファニーで朝食を』や『シャレード』などで注目を集めた)の作品を中心に、彼女の書き下ろし作品3曲や、坂本龍一と細野晴臣(ボーナストラック)のカヴァー作品で構成されている。
レコーディングメンバーは、彼女(piano/keyboards)とヨシ・ワキ(Yoshi Waki: bass)、ジョン・デイヴィス(John Davis: drums)のいつものニューヨーク・トリオのメンバーの他に、ラッセル・カーター(Russell Carter: drums)も加わり、2人のドラマーが曲によって分担している。

アルバム全体を通して聴くと、彼女らしいスピード感溢れるピアノから、じっくり聴かせるピアノまで、さらに脇を固めるワキ・ヨシ(韻を踏んでいるみたいだ)のベースとジョン・デイヴィスとラッセルカーターのドラムスと、彼女の音楽の世界が広がっている(個人的見解ですが…)。

ところで、2曲目にヘンリー・マンシーニ作「Moon River」も収録されているが、この曲は『ティファニーで朝食を』でオードリー・ヘップバーンが歌った曲だけど、映画のイメージを抱いてこの曲を聴くと、「あれ?」っという感じがする。よく聴くと「Moon River」と分かる部分もあるが、原曲を彼女の感性で大胆にデフォルメして、全く違った楽曲に仕上がっている。

Date: 2024/9/21
Artist: Yes
Title: The Yes Album/サード・アルバム


yes3 イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、イエスの1971年発表のサードアルバム(日本語のタイトルはそのまんまだなぁ)。昔のアルバムで持っていないものを買おう・ロック編(と、勝手に読んでいるが)ということで、今回はこのアルバムを買うことにしたのだ(買ったのは2019年に発売されたUHQCD仕様のスティーヴン・ウィルソン・リミックス盤)。

前作『Time and a Word/時間と言葉』の後、ギタリストのピーター・バンクスが解雇され、このアルバムから新たにスティーヴ・ハウが加わった。これ以降、彼は長らくイエスのギタリストを務めることになるのだ。このアルバム制作時のメンバーは、ジョン・アンダーソン(Jon Anderson: vocal)、クリス・スクワイア(Chris Squire: bass)、スティーヴ・ハウ(Steve Howe: guitars)、トニー・ケイ(Tony Kaye: keyboards)、ビル・ブルーフォード(Bill Bruford: drums)だ。

このアルバムには「Starship Trooper」「I've Seen All Good People」など、ライブでお馴染みの楽曲が収録されていて(今回このアルバムを買った理由もそれだ)、さらにスティーヴ・ハウのアコースティック・ギターによるソロ「Clap」(ライブ録音)も収録されていて、この曲が実質的に新加入のスティーヴ・ハウのお披露目の曲となっている。また、「Starship Trooper」はイエス初の組曲形式の曲で、これが以降の「Close to the Edge/危機」などの楽曲につながっていったのだろう。

彼らのデビューアルバムと2作目のアルバムは、プログレッシヴ・ロックとは方向性が異なる作品と言われているので(残念ながら僕は聴いたことがないが)、このアルバムはイエスのプログレッシヴ・ロック・バンドとしての始まりのアルバムと言えるのかもしれない。

Date: 2024/9/21
Artist: 秩父英里
Title: Crossing Reality


eri またまた新しいピアニストを見つけた。ジャズ・ピアニスト/作曲家、秩父英里のデビューアルバム(CDは2022年9月発売)。インターネットラジオ番組 JJazz.net の記事をたまたま見かけ、気にはなっていたので、今回買うことにしたのだ。

僕は彼女のことを全く知らなかったので、JJazz.net やタワレコの紹介記事によると、「仙台出身の彼女は、東北大学卒業後、人生の転機を迎え、アメリカ・ボストンにあるバークリー音楽大学へ入学。ジャズ作曲科と映像音楽科の2つを主専攻、ゲーム音楽を副専攻で学び首席で卒業した。ASCAPやISJAC、JENなどが主催する欧米の作曲コンテストにて数々の賞を受賞し作品は国際的にも高く評価されている。」と、なかなかな才媛のようだ。

収録されている楽曲は全て彼女自身によるもので、ノネット編成(9人編成)から小編成のバンド、ピアノトリオなど、多彩な編成によるサウンドで表現された、彼女独自の音楽の世界が広がっている(と思う。個人的感想ですけど)。

また、彼女は音楽だけでなく、アートや心理学など他領域とのコラボ、ナレーション録音など多様な活動も行っているようだ。今後も目が離せない音楽家の一人だと思う。

Date: 2024/9/21
Artist: CASIOPEA-P4
Title: Right Now


casiopea5 日本を代表するフュージョン・バンド、カシオペアの新作アルバム。新作が出たのは知っていたので買おうと思っていたのだが、今回はいつもの新宿ではなく、初めて渋谷のタワレコで買ったのだ。

このアルバムは、カシオペアとしての活動45周年の2022年に CASIOPEA-P4 になってからの2ndアルバムだ。P4のメンバーは、今や唯一のオリジナルメンバーとなってしまった野呂一生(guitar)と、”ナルチョ”こと鳴瀬喜博(bass)、美保純似(本人もライブでそう言っていた)のキーボード奏者・髙清美(keyboards)、P4から正式メンバーとなった若手ドラマーの今井義頼(drums)だ。今年のGWにビルボードライブ横浜で彼らのライブに行ったんだが、そのときに今回の新作に収録予定の曲をやったような気がする(あれから何ヶ月も経っているので、どんな曲だったかは思い出せないけど…)。

収録されている曲の大半は野呂一生のよるものだが、他のメンバーによる楽曲も1曲ずつ収録されている(大髙清美作「Admiration」、今井義頼作「Hour of the Rainbow」、鳴瀬喜博作「90's A Go Go」)。カシオペアといえば、親しみやすいメロディや超絶テクニックを思い浮かべるが、今回のアルバムも”カシオペア感”満載で、カシオペアの音楽の世界を存分に堪能できる作品になっていると思う。

このアルバムを聴いていると、また彼らのライブに行きたくなった。

Date: 2024/7/13
Artist: Al Di Meola
Title: Electric Rendezvous


al4 アメリカのジャズ/フュージョン・ギタリスト、アル・ディ・メオラの1982年に発表された5作目のアルバム。昔のアルバムで持っていないものを買おう・ジャズ/フュージョン編(と、勝手に呼んでいるが)として、今回はこのアルバム(2024年発売の極HiFi CD盤)を買うことにしたのだ。

このアルバムのレコーディングには、ヤン・ハマー(Jan Hammer: keyboards)、スティーヴ・ガッド(Steve Gadd: drums)、アンソニー・ジャクソン(Anthony Jackson: bass)といった錚々たるミュージシャンが参加している。また、3曲目の「Passion, Grace & Fire」では、スペイン出身のギタリスト、パコ・デ・ルシア(Paco de Lucía)とのアコースティック・ギターによるスーパーテクニカルなギターを披露している(これにジョン・マクラフリンが加われば、まさにスーパー・ギター・トリオだ)。

アル・ディ・メオラといえば、速弾きに代表される超絶技巧のギタリストとして知られているが、このアルバムは速弾きオンパレードというわけではなく、ゆったりとしたフレーズや泣きのギター、それからアコースティック・ギターによる美しいメロディなども印象に残る作品になっていると思う(個人的見解ですけど)。

Date: 2024/7/13
Artist: 小林香織
Title: Intersection


kaori24 サックス奏者・小林香織の待望の新作アルバム。新作が出たのは知っていたので、新宿のタワレコで早速買ってきたのだ。今回のアルバムは前作『NOW and FOREVER』以来の約3年半ぶりのオリジナルアルバムだ。この間、彼女はユーミンのツアーに参加したりしていたようだが、やっと戻ってきてくれたという感じだ。

今回の作品のレコーディングに参加しているミュージシャンは、扇谷研人(keyboards/piano)、藤田義雄(guitar)、浜崎賢太(bass)、北村望(drums)といった面々だ。また、彼女はいつものアルト・サックス、フルートの他に、ソプラノ・サックス、テナー・サックス、バリトン・サックスを使い分けている。過去の作品でもソプラノとテナーを使った楽曲があったが、今回は初めてバリトンもお披露目している。

収録されている楽曲は全て彼女のオリジナルで、洗練された都会的な雰囲気に加えて多様なサウンドの作品になっていると思う。また、「Paradise」は多重録音によるサックス4重奏の作品となっていて、彼女の意欲を感じさせる。今回の作品でも、彼女の特徴ともいえる親しみやすいメロディーの彼女の音楽の世界にどっぷりと浸ることができる。

彼女のライブにはもう何年も行っていないので、久しぶりに行きたいと思っている今日この頃だ(日程次第だけど)。

Date: 2024/7/13
Artist: The Jazz Avengers
Title: 8 Steps


jazz_ave3 今や世界的ドラマーとして活躍している川口千里を中心として日本の女性トップミュージシャンが集結したジャズ・プロジェクト、The Jazz Avengers の2ndアルバム。新作が出たというのは知っていたので買おうと思っていたのだ(今回はタワレコのオンライショップではなく、新宿の店舗まで行って買ったのだ)。

8人のメンバー全員による書き下ろしで構成された今回のアルバムでは、川口千里のパワフルでテクニカルなドラムをはじめ、ギターの瀬川千鶴、ベースの芹田珠奈、キーボーの竹田麻里絵に加え、寺地美穂(alto)、WaKaNa(alto)、米澤美玖(tenor)、中園亜美(soprano)によるサックス4管という編成によって作り出される伸びやかなサウンドを武器にして、よりJazzyでよりFunkyながら、ポップで聴きやすい彼女らの音楽の世界を作り出している。

前作もさることながら、今回の作品でもメンバーそれぞれが最高のパフォーマンスを引き出した、いい作品に仕上がっていると思う。

P.S. ちょっと前に、メンバーの一人である中園亜美の新作アルバムを買ったんだが、他のメンバーの作品でまだ持っていないものもあるので、今後それらも買おうと思っている今日この頃だ。

Date: 2024/4/28
Artist: Yes
Title: Drama


yes2 プログレッシヴ・ロック・バンド、イエスの1980年に発表されたアルバム『Drama』。昔のアルバムで持っていないものを買おうと思って、今回はこの作品を買うことにしたのだ。買ったのは発売された当時のものではなく、デビュー40周年記念(完全生産限定盤)イエス紙ジャケット・コレクション・SHM-CDエディション(2009年デジタルリマスター)だ。

実は、今から数十年前、大学入学のため福岡から上京して、安アパートで一人暮らしを始めた時、カセット仕様のこのアルバムを買ってよく聴いていたのだ。その後、引っ越しを繰り返すうちにカセットが無くなってしまったので、今回あらためてCDを買ったのだ。

イエスはメンバーチェンジを繰り返してきたバンドだが、このアルバムの前作『Tormato』発表後、キーボード奏者のリック・ウェイクマン(Rick Wakeman)、それからバンドの顔であるヴォーカルのジョン・アンダーソン(Jon Anderson)までもが脱退し、音楽ユニット”バグルス(The Buggles)”で活動していた新たなヴォーカリストとキーボード奏者を迎えて制作されたのがこのアルバムだ。レコーディングメンバーは、ジェフ・ダウンズ(Geoff Downes; keyboards & vocoder)、トレヴァー・ホーン(Trevor Horn; vocals & bass on "Run Through The Light")、スティーヴ・ハウ(Steve Howe; guitars & vocals)、クリス・スクワイア(Chris Squire; bass, vocals & piano on "Run Through The Light")、アラン・ホワイト(Alan White; percussion & vocals)だ。しかし、その後彼らは活動を停止して、ダウンズとホーンはバグルスの活動を再開したこともあり、このアルバムは20世紀に発表されたイエス名義のアルバムの中で、ジョン・アンダーソンがヴォーカルを担当していない唯一の作品となったのだ。

アルバム本編に収録されている曲は、どれも悪くないと個人的に思っているが、イエスの数あるアルバムの中では、マイナーな存在のようだ(それには、ヴォーカルがジョン・アンダーソンではないことが関係しているのかも…)。

なお、本編以外にボーナストラックが10曲も収録されていて(本編より多い!)、「Into The Lens (I Am A Camera)」と「Run Through The Light」のシングル・バージョンの他に、"Paris Session" からの曲が4曲収録されているが、聴いてみると、「あれ?ジョン・アンダーソンの声だ」と思ったので、クレジットを見てみたら、これらはジョン・アンダーソン/スティーヴ・ハウ/クリス・スクワイア/リック・ウェイクマン/アラン・ホワイトによるものだった。まさか、ここにきてこの5人による曲が収録されているとは。やはり、イエスのヴォーカルはジョン・アンダーソンなんだなと、改めて思ってしまった。

Date: 2024/4/28
Artist: 中園亜美
Title: On and On


ami3 サックス奏者・中園亜美の新作アルバム。新作が出たのは知っていたので、早速買ったのだ。
今やジャズ/フュージョン界のトッププレイヤーとなり、女性フュージョンバンド "The Jazz Avengers" のメンバーとしても活躍している彼女だが、今回のアルバムは彼女のオリジナル・アルバムとしては実に6年ぶりの作品だ。

レコーディング・メンバーは彼女(soprano, alto & tenor sax)の他には、安部潤(acoustic piano/keyboard)、田中晋吾(bass)、高田真(drums)、武藤良明(electric & acoustic guitar)、Luis Valle(trumpet on "Reunion")といった面々だ。収録されている楽曲も彼女と安部潤によるオリジナル楽曲だ。内容的にはフュージョン/スムースジャズで、アップテンポの軽快な楽曲から、ミドル/スローテンポでしっとりと聴かせる楽曲まで、都会的雰囲気の楽曲満載で、彼女の素晴らしいサックスプレイを心ゆくまで堪能できる作品になっていると思う(個人的感想ですけど)。

彼女が使っている楽器はソプラノサックスがメインだが、楽曲によってアルトサックスとテナーサックスも使い分けている。時に彼女は”和製ケニー・G”と評されているが、それはソプラノサックスをメインに使用しているし、写真もソプラノサックスを持った写真を多く見かけるので、そのイメージが強いからなのかな?

実は彼女のライブには日程の関係でまだ行ったことがないので、今年は何としても行きたいと思いいているのだ(The Jazz Avengers のライブDVDやネットの映像で演奏ている様子は見たけど)。

Date: 2024/4/28
Artist: 纐纈歩美
Title: Limpid Flame


ayumi9 アルトサックス奏者・纐纈歩美の新作アルバム。新作が出たというのは知っていたので、買おうと思っていたのだ。

前作『O Pato』以来5年半ぶり、通算9作目となる今回のアルバムは、全曲オリジナル曲で構成されたセルフプロデュース・アルバムだ(セルフプロデュースとしては2作目のようだ)。レコーディング・メンバーは彼女(alto sax)、佐藤浩一(piano)、安田幸司(bass)、安藤正則(drums)のレギュラーカルテットの面々だ。

アルバムタイトル『Limpid Flame』は「透明な炎」という意味だが、彼女自身によるライナーノーツによると、「演奏活動を控えていた数年の間もずっと変わらず自分の中でジリジリと静かに燃え続けた音楽に対する想いを表現したもの」だそうだ。

5年半もの間書き留めてきた曲を一挙に収録した今回のアルバムは、しっとりと聴かせるナンバーから、軽快なテンポのナンバーまで、このカルテットでしか出せないサウンドで、彼女のクールな外見とは裏腹に、静かなる情熱が伝わってくる作品になっていると思う。

久しぶりの彼女の新作に、心ゆくまで彼女の音楽に浸ることができた。

Date: 2024/1/24
Artist: 吉永絢香
Title: There is No Answer


ayaka サックス奏者、吉永絢香のリーダーデビューアルバム。音楽雑誌 "Jazz Life" で彼女のインタビュー記事を読んで、同じ福岡県出身ということもあって興味を持ち、とあるWebサイト(タワレコのサイトでは試聴できなかったので、別のサイト)で試聴してみたら、結構よかったので買うことにしたのだ。

僕はこれまで彼女のことを全然知らなかったのだが、インタビュー記事を読むと、福岡県久留米市出身の彼女は、20代前半から福岡・博多のジャズ・クラブで活動を開始し、その後、2009年には拠点を東京に移して活動していたそうだが、今回初のリーダーアルバムとしてこの作品を発表したということのようだ。

アルバム全体を通して聴いて、スタンダードと彼女のオリジナル曲(「Flying Merry-Go-Round」、「There is No Answer」)も交えた本作は、メロディアスで親しみやすい内容で、ピアノトリオをバックに彼女のサックスを存分に堪能できる、なかなかいい感じの作品になっていると思う。特に、アルバムタイトル曲の「There is No Answer」では、伸びやかなサックスでしっとりと歌い上げている。なお、使用している楽器としては、アルトサックスがメインだが、曲によってはテナーサックスとソプラノサックスを使い分けているようだ。

これでお気に入りのサックス奏者がまた一人増えたのだが、彼女の今後の活動に注目していきたいと思う。

Date: 2024/1/24
Artist: Muses
Title: Goddess of Victory


muses2 女性フュージョン・バンド、Muses の2ndアルバム。去年の10月に新作が出たというのは知っていたので、買おうと思っていたのだ。

バンドメンバーの Rie a.k.a. Suzaku(guitar)、深井麻梨恵(keyboards)、芹田ジュナ(bass)、佐藤 奏(drums)のそれぞれが、実力派の演奏家で、その彼女たちによるスピード感あふれる演奏と、キャッチーなサウンドが魅力のバンドだ。

収録されている曲のほとんど(10曲中8曲、残りの2曲は Executive Producer の Masanori Sato 氏による)は、彼女たち自身による楽曲だが、そのうち6曲はギターの Rie a.k.a. Suzaku によるもので、作曲家としての顔も併せ持っている。アルバム全体を通して聴いてみると、親しみやすいメロディと軽快で明るいサウンドと、彼女たちの抜群のテクニックの演奏を存分に堪能することができる内容になっていると思う。

なお、9曲目の「Ko-Mo-Re-Bi」では、スペシャル・ゲストとして、サックス奏者の中園亜美がレコーディングに参加していて、彼女によるソプラノ・サックスも聴くことができる。

ところで、YouTube で彼女たちのライブ映像は何回か見たことはあるが、まだリアル・ライブには行ったことがないので、日程が合えば、行きたいと思っているのだ。

Date: 2024/1/24
Artist: Shakatak
Title: Eyes Of The World


shakatak6 ブリティッシュ・ジャズ・ファンク/フュージョン界のレジェンド・バンド、シャカタクの4年ぶりの新作アルバム。タワレコのオンライショップで検索していてこの作品を見つけ、試聴してみたら、なかなかよかったので買うことにしたのだ。シャカタクのアルバムを買うのは何年ぶりだろう。随分前のような気がする。

1980年にデビューした彼らは、80年代前半の「Night Birds」、「Invitations」の大ヒットで世界にその名を知らしめた。以来、40年以上もの間活動を続けていて、今回のアルバムが通算何枚目なのかわからないが、これまでに多数のアルバムを発表し続けいている長寿バンドだ。

シャカタクの主要メンバーである、ビル・シャープ(Bill Sharpe: keyboards、実質的に彼がグループのリーダーだ)、ジル・セイワード(Jill Saward: vocals、彼女は当初はもう一人の女性ヴォーカリストとバッキング・コーラス担当だったが、その後、彼女がメイン・ヴォーカルとしてフィーチャーされている)、ロジャー・オデル(Roger Odell: drums、ビル・シャープと共に、彼が実質的にシャカタク・サウンドを作り上げている)、ジョージ・アンダーソン(George Anderson: bass、2代目ベーシストとして「Night Birds」の頃より参加し、今に至っている)の他に、今回のアルバムではゲスト・ミュージシャンとしてキース・ウィンター(guitar: 元メンバー、のちに脱退)、ジャッキー・ヒックス(Jacqui Hicks: backing vocals、ライブやレコーディングでコーラス、サックス、フルートなどを担当)などのミュージシャンの他に、スペシャル・ゲストとしてドン・グルーシン(Don Grusin: piano、「Sunflowers」)もクレジットされている。

シャカタクの音楽は、親しみやすいメロディと都会的な洗練されたサウンドが特徴的だが、今回のアルバムでも、これぞシャカタクといえるサウンドを存分に堪能できる、シャカタク好きにはたまらない内容になっている。